![]() 内燃機関
专利摘要:
内燃機関(10)は、チャンバ(12)と、チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分をチャンバ内で燃焼させるためにチャンバに導入する吸入弁装置(24、26)と、チャンバのエネルギ出力として、圧力上昇の影響下でチャンバから流出液を放出する排出弁装置(16)と、加熱した液体を前記チャンバに選択的に導入する入力弁装置(136)と、入力弁装置に加熱した液体を供給する供給システム(130、132、134)とを備える。入力弁装置は、加熱した液体の少なくとも一部が解離してチャンバ内で燃焼する水素を提供するように、可燃性混合物の燃焼が起こるチャンバの領域に加熱した液体を導入させる。 公开号:JP2011511904A 申请号:JP2010546397 申请日:2009-02-13 公开日:2011-04-14 发明作者:ブキャナン,ナイジェル,アレクサンダー 申请人:ブキャナン,ナイジェル,アレクサンダーBUCHANAN, Nigel, Alexander; IPC主号:F02C3-22
专利说明:
[0001] 本発明は内燃機関に関し、それだけに限られないが、特に自動車を駆動するための内燃機関に関係する。] 背景技術 [0002] 往復ピストン火花点火機関は、自動車に動力を供給するために使用される内燃機関の周知の一形態である。往復ピストン火花点火機関は、各シリンダ内で往復するように構成されて、それぞれクランク軸に接続される多数のピストンを備える。シリンダには各々に空気と燃料の流入量を制御する吸入弁装置と、燃焼生成物の排気を制御する排気弁装置と、空気燃料混合物を点火する点火プラグとが設けられている。エンジンへの燃料供給をキャブレターで制御する場合、空気と燃料はシリンダの上流にあるインテークマニホールドで混合されて、吸入弁装置はシリンダへの燃料空気混合物の吸込みを制御する吸込み弁を備える。シリンダへの燃料供給を燃料噴射で行う場合には、吸入弁装置は2つの弁を備える。弁の一方は燃料噴射器であり、もう一方は吸気弁である。燃料噴射器は、燃料を直接シリンダに噴射するようにされていても、吸気弁のすぐ上流にある吸気ダクトに噴射するようにされていてもよい。] [0003] 典型的には、往復火花点火機関は4サイクルで動作する。シリンダの上または下へ向かうピストンの各動作が4サイクルの1工程をなす。 4サイクルは次の工程からなる。 吸入弁装置が開いて、ピストンがクランクシャフトに向かって移動しながら空気と燃料がエンジンに取り込まれる吸入工程、 吸入口および排気弁装置が閉じて、ピストンがクランクシャフトから遠ざかりながら空気燃料混合物が圧縮される圧縮工程、 圧縮された混合物が点火されて、混合物の燃焼により生じる急激な膨張がピストンをクランクシャフトに向かって押し戻す動力または動き工程、 排気弁装置が開いて、ピストンがクランクシャフトから再び遠ざかりながら排気ガスがシリンダから押し出される排気工程] [0004] 一部の往復ピストン火花点火機関は2サイクルで動作するが、これは4サイクルの変型である。そのような2サイクルのエンジンは、通常4サイクルエンジンよりも排気量が小さく、乗用車に関しては、二輪車に使用される傾向がある。2サイクルエンジンは、弁の代わりにシリンダ側に沿って配置されるポートを使用する。ピストンがシリンダを上下に移動すると、ピストンのシリンダ内の位置によってポートが塞がれたり塞がれなかったりする。基本的に、2サイクルエンジンでは、第1工程において吸入と圧縮が起こり、第2工程において燃焼と排気が起こる。] [0005] 往復ピストン圧縮点火内燃機関は、自動車を駆動するために広く用いられる別の形態のエンジンである。往復ピストン圧縮点火機関は、火花点火機関で使用する燃料よりも自己点火温度が高い燃料を使用し、前述した4サイクルの変型バージョンを行う。具体的には、吸入工程においてシリンダに空気を取り込んで、圧縮工程においてその空気を高圧高温になるまで圧縮する。それから燃料を直接シリンダ(またはシリンダにつながる混合室)に噴射して、シリンダ内で燃料を高温圧縮空気と混合しながら燃焼を起こす。かつては、往復ピストン圧縮点火機関は騒音がうるさく速度が遅いと考えられており、自動車業界では、主にトラックやバスなどの他の商用車に使われた。しかし、最近になり、高性能の往復ピストン圧縮点火機関が開発されており、現在往復ピストン圧縮点火機関はサルーンカー(セダン)などの小型乗用車に広く使用されている。] [0006] ヴァンケルエンジンは、自動車に動力を供給するのに使用されている別の形態の火花点火機関である。ヴァンケルエンジンは、往復ピストン火花点火内燃機関で採用する4サイクルと同様な4「工程」サイクルを採用する。しかし、ヴァンケルエンジンは、往復ピストンの代わりに、ほぼ楕円形(外トロコイド形)のチャンバで回転する略三角形のロータを偏心軸に取り付けている。ロータとチャンバの壁との間の空間で「4工程」が行われる。] [0007] 以上の周知の内燃機関に共通の特徴は、燃料空気混合物をチャンバに入力して燃焼させ、燃焼により生じる混合物の急激な膨張が、出力軸に接続されるボディ(ピストンまたはロータ)に直接作用することによって、軸の回転を生じさせること、つまりエンジンの出力が、軸の回転になることである。] 課題を解決するための手段 [0008] 本発明は、チャンバと、前記チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分を前記チャンバ内で燃焼させるために前記チャンバ内に導入させる吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として、前記圧力上昇の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、加熱した液体を前記チャンバに選択的に導入する入力弁装置と、前記入力弁装置に加熱した液体を供給する供給システムと、を備え、前記入力弁装置は、前記加熱した液体の少なくとも一部が解離して、前記チャンバ内で燃焼する水素を提供するように、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバの領域に前記加熱した液体を導入させる内燃機関を提供する。] [0009] 本発明は、チャンバと、前記チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分を前記チャンバ内で燃焼させるために前記チャンバ内に導入させる吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として、前記圧力上昇の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記チャンバに液体を導入する入力弁装置と、前記入力弁装置の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記液体の噴霧の少なくとも一部の成分が解離して、前記可燃性混合物中で燃焼する水素を提供されるように、前記チャンバ内での前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分の圧縮に続いて前記チャンバへの前記液体の供給が行われるように前記入力弁装置を制御する内燃機関を含む。] [0010] 本発明は、チャンバと、前記チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分を前記チャンバ内で燃焼させるために前記チャンバ内に導入させる吸入弁装置と、前記チャンバからのエネルギ出力として、前記圧力上昇の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記チャンバに液体を導入する入力弁装置と、前記可燃性混合物中で燃焼する水素を前記水素含有化合物から分離させるために、前記水素含有化合物の水蒸気改質が起こすように、前記可燃性混合物の燃焼中に前記チャンバ内に十分な水素含有化合物と水分子が存在するように前記チャンバの動作を制御する制御装置と、を備える内燃機関も含む。] [0011] 本発明は内燃機関を操作する方法も含み、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための圧力上昇をもたらすために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記チャンバ内で前記液体の少なくとも一部が解離して前記可燃性混合物中で燃焼する水素を与えるために、前記可燃性混合物の燃焼中に前記可燃性混合物中に前記液体が存在するように、前記チャンバ内での前記可燃性混合物の少なくとも一つの構成成分の圧縮に続いて前記チャンバ内に液体を供給するステップと、を備える。] [0012] 本発明は内燃機関を操作する方法も含み、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための圧力上昇をもたらすために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、 前記可燃性混合物の燃焼中に加熱した液体の少なくとも一部が解離して、前記可燃性混合物中で燃焼する水素が提供されるように、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバの領域に加熱した液体を供給するステップと、を備えて構成される。] [0013] 本発明は、内燃機関を操作する方法も含み、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための圧力上昇をもたらすために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記水素含有化合物から前記可燃性混合物中で燃焼する水素を分離させるために、前記可燃性混合物の燃焼中に前記水素含有化合物の少なくとも一部の水蒸気改質を促進するように、所定量の水素含有化合物と水分子とを前記可燃性混合物中に供給するステップと、を備えて構成される。] [0014] 本発明は、チャンバと、前記チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させて、前記チャンバ内の気体体積を膨張させるために、前記チャンバに前記可燃性混合物の構成成分を導入する吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として、前記膨張する気体体積の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記チャンバ内の液体ホルダと、を備え、前記液体ホルダは、前記液体ホルダにより保持される液体が、前記膨張する気体体積中に置かれるように、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバ内の領域に配置されて、前記チャンバ内で燃焼する水素を提供する過程で前記液体噴霧が加熱されるようにしており、前記膨張する気体体積が前記液体に作用できるように、前記液体ホルダを通る前記膨張する気体体積のための少なくとも1つの流路がある内燃機関を含む。] [0015] 内燃機関を操作する方法であって、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための気体体積の膨張のために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記チャンバ内で燃焼させる水素を提供する過程で前記液体が加熱されるようにするために、前記可燃性混合物の燃焼中に前記チャンバ内で燃焼する可燃性混合物中になる位置に置かれる少なくとも1つの液体ホルダに液体を提供するステップと、を備える。] [0016] 本発明は、チャンバと、その内部で燃焼させるために前記チャンバに可燃性混合物の構成成分を導入する吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記可燃性混合物の燃焼が前記流出液の移動を開始させる前記チャンバの第1圧力上昇を生じさせ、前記可燃性混合物の燃焼中に前記チャンバ内の水素含有化合物から分離した水素の燃焼が、前記流出液に作用する第2圧力上昇を生じさせて、液体に作用する前記第2圧力上昇が前記第1圧力上昇により開始するように、前記チャンバの操作を制御する制御装置と、を備える内燃機関も含む。] [0017] 本発明は、内燃機関を操作する方法であって、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための第1圧力上昇を提供するために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記燃焼している可燃性混合物中に水素含有化合物を提供することによって、前記チャンバ内の前記水素含有化合物から水素を分離させるステップと、前記燃焼している可燃性混合物中で前記水素を燃焼することによって、前記チャンバから吐き出される前記液体に作用する第2圧力上昇を提供するステップと、を備える。] [0018] 本発明は、チャンバと、その中で燃焼させて前記チャンバの圧力を上昇させるために、前記チャンバに可燃性混合物の構成成分を導入させる吸入弁装置と、前記圧力上昇の影響下で、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから流出液を放出させる排出弁装置と、前記チャンバに加熱した液体を選択的に導入する入力弁装置と、前記入力弁装置に加熱した液体を供給する供給システムと、を備え、前記入力弁装置は、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバの領域に前記加熱した液体を導入して、前記チャンバ内で燃焼する水素を与える水素分離過程を促進するように構成されている、内燃機関も含む。] 図面の簡単な説明 [0019] 本発明をよく理解するために、ここで、単なる例としてあげるそのいくつかの実施形態を図面を参照しながら説明する。] [0020] 図1は、自動車両のパワートレインに接続した単気筒型内燃機関の概略図である。 図2は、図1の内燃機関の出力弁の略断面図である。 図3は、図1の自動車両のパワートレインのポンプユニットの略図である。 図4は、図1の内燃機関のシリンダの略断面図である。 図5は、図4の右側から見たシリンダの部分切開図である。 図6は、図1から図5のシリンダのエレメントの略図である。 図7は、作動サイクルの空気および燃料吸入過程中の図1の内燃機関を示す略図である。 図8は、作動サイクルの圧縮過程中の内燃機関を示す図7に対応する図である。 図9は、内燃機関の燃焼イベントの開始を示す図7に対応する図である。 図10は、燃焼イベントにより生じる圧力上昇により内燃機関のシリンダから液体が押し出されるところを示す図7に対応する図である。 図11は、蒸気噴射過程を示す図7に対応する図である。 図12は、内燃機関からの燃焼生成物の排気を示す図7に対応する図である。 図13は、燃焼イベント中のシリンダの状態を示す圧力曲線である。 図14は、内燃機関に行えるいくつかの変型を示す図4と同様な図である。 図15は、内燃機関に行える別の変型を示す図1と同様な図である。 図16は、自動車両のパワートレインに接続される多気筒型内燃機関の略図である。 図17は、2つの駆動装置に接続される別の内燃機関の略図であり、始動時のエンジンを示す。 図18は、内燃機関の燃焼室からリザーバまでの燃料の送出と流体の出力を示す図17に対応する図である。 図19は、燃焼室から別のリザーバまで出力される流体と、そのリザーバから燃焼室への流体の噴射を示す図17に対応する図である。 図20は、排気過程の第1段階を示す図17に対応する図である。 図21は、燃焼室への空気の吸入を示す図17に対応する図である。 図22は、圧縮過程中の内燃機関の動作を示す図17に対応する図である。 図23は、付勢流体の駆動装置への送出を示す図17に対応する図である。 図24は、図17から図23の内燃機関の変型を示す。 図25は、燃焼過程中の図24の内燃機関の別の変型を示す。 図26は、排気過程の第1段階中の図25の内燃機関を示す。 図27は、排気過程の第2段階中の図25の内燃機関を示す。 図28は、図1から図27の内燃機関の燃焼室の壁に施すことのできる粗面処理を示す。 図29は、図1から図24に示す内燃機関で使用できる流体ホルダを示す。 図30は、図1から図27に示す内燃機関の制御装置の一例の略図である。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18 実施例 [0021] 図1を参照して、内燃機関10は、密閉されたシリンダ12である1つの燃焼室を備える。シリンダは、出力弁装置16を介して第1リザーバ14に連結されている。 シリンダ12は、可燃性混合物の構成成分がシリンダに選択的に導入される吸入口端領域と、出力弁装置16が置かれる排出口端領域とを有する。 可燃性混合物は、シリンダ内の圧力を上昇させるためにシリンダ12内で燃焼され、出力弁装置16は、この圧力上昇の影響下で、シリンダからの液体の流出を、シリンダの主なエネルギ出力として開放するように動作する] 図1 [0022] 第1リザーバ14は、シリンダ12の略下方であって、シリンダの排出口端領域に配置されており、付勢された液体を受けて、必要になるまでエネルギ出力を蓄積する。 第1リザーバ14に蓄積される液体は、要求に応じて自動車のパワートレインの駆動装置20に供給される。駆動装置20は、第1リザーバ14に蓄積されたエネルギを、自動車(図示せず)の4本の車輪22を回転させるのに使用される駆動力に変換する。] [0023] 内燃機関10は、シリンダ12に付随させた吸気弁装置24、26を有しており、吸気弁装置24、26は、可燃性混合物の構成成分をシリンダに導入するように作動する。 この実施形態では、吸気弁装置24、26は、燃料と空気のシリンダ12への入力を別々に制御するためのものであり、シリンダに導入される吸気の流れを制御するための常閉型電磁作動式吸気弁24と、燃料を直接シリンダに噴射する電気作動式燃料噴射器26とから構成される。 吸気弁24と燃料噴射器26の動作は、マイクロプロセッサベースの制御装置28を含む制御システムで制御される。燃料噴射器26は、燃料ポンプ32を介して燃料リザーバ30に接続されている。] [0024] 図面を分かりやすくするために、制御装置28と、制御装置が制御するおよび/または信号を受信する部品との接続は図示していない。] [0025] 内燃機関10は、シリンダ12に付随させた排気弁装置34も有している。排気弁装置は、常閉型電磁作動式排気弁34である。排気弁34の動作は、制御装置28で制御される。制御装置28は、排気弁34に信号を送出して、燃焼生成物(排気ガス)をシリンダ12から排気システム36に排気させるために弁を選択的に開放させる。以下に、排気システム36をより詳細に説明する。] [0026] 吸気弁装置24は、吸気システム38と連通しており、吸気システム38は、ひとつ以上のエアフィルタと、適切な管路、および/または吸気弁装置を介して吸気をシリンダ12に供給するひとつ以上の吸気マニホルド、を備えても良い。 必須ではないが、吸気はターボチャージまたはスーパーチャージにより加圧してもよい。スーパーチャージおよびターボチャージは共に、当業者にはよく知られる技術であるので、ここで詳しく説明しない。] [0027] 内燃機関10は、常閉型電磁作動式流体導入制御弁40および常閉型電磁作動式始動導入制御弁42として、流体導入制御弁装置をさらに含んで構成される。 流体導入制御弁40、42は共に、第1リザーバ14への出力に先立って燃焼過程において付勢されることになる液体のシリンダ12への導入を制御するために設けられている。流体導入制御弁40、42の動作は、制御装置28で制御される。] [0028] 制御装置28に加えて、内燃機関10の制御システムは、シリンダ12内の圧力を示す信号を出力するように構成されたセンサ44を含む。任意の適切なセンサを使用することができる。 シリンダ12内の温度は、圧力に密接に追従するため、センサは、シリンダ12内の温度感知部に位置決めされた熱電対などの温度センサ44でも良い。] [0029] 内燃機関10の制御システムは、制御装置28に第1リザーバ14内の圧力を示す信号を送るように構成されたセンサ46をさらに含んで構成される。センサ46は、温度センサを含む任意の適切なセンサを使用することができる。 内燃機関10に対する要求が変動するため、第1リザーバ14内の圧力は、駆動装置20が必要とする蓄積された液体の増減に応じて変動する。 制御装置28は、エンジンの動作を駆動装置20の要求に合わせて第1リザーバ14への適切な液体の供給を維持するように制御するために、センサ46からの信号を使用する。] [0030] 内燃機関10は、この実施形態では点火プラグ48である着火装置をさらに備えている。点火プラグ48は、制御装置28の制御下で動作し、火花用の電圧を引き出せるコイルを備える適切な電圧供給システム(図示せず)に接続されている。 点火プラグ技術は、当業者にはよく知られており、そのためここでは詳しく説明しない。] [0031] この実施形態では、出力弁装置16は、シリンダ12の下端を画成するエンジンの壁50に設けられる自動開閉式圧力解放弁から構成される。 図2に示すように、出力弁装置16は、シリンダ12内に開口しているボア52を含んでいる。ボア52は、シリンダ12に隣接してそれに連通する小径部54と、円錐形弁座58を画成する壁により小径部54に接続されていると共にシリンダから離間している大径部56とを有する。 弁座58は、ボア52の小径部54に向かって軸方向内側に先細になっている。移動自在なボール60である弁部材が、ボア52の大径部56に設けられている。ボール60は、シリンダ12内の流体と第1リザーバ14内の流体との圧力バランスで作動される。 ボア52の大径部56には、ボール60用の開口付き保持具62が設けられており、保持具と弁座58との間にボールが閉じ込められるようになっている。 図示する実施形態では、保持具62はボア52の大径部56に固定される環状フレーム64と、互いに垂直な一対の横材66とを備える。横材66は、ボア52内を直径方向に延びるており、各々の相対した端部がフレーム64に接続している。 代わりに、保持具は、ボールの径よりも小さい内径を有するカラーにしても良く、または、ボールが弁座58から離れたときにボアを通る流体の比較的自由な流れを可能にしながら、ボア52の大径部56からボールが抜けないようにする任意の他のデバイスとしても良い。] 図2 [0032] 出力弁装置16には、ボア52の大径部56に溝68の形で設けられた流れ修正システムを任意に設けても良い。 溝68は、ボール60が弁座58から離れて液体がボア52を通流しているときに、ボール60がスピンしない(または少なくともボールの非並進運動を抑える)ようにするために、ボア52の大径部56を通る液体の流れに作用するように設けられている。 これにより、ボール60の圧力変化に対する反応が良くなるので、シリンダ12内の流体と第1リザーバ14内の流体の圧力バランスの変化に応じて、弁はより速やかに開閉するようになる。 図示する実施形態では、4つの溝68が等間隔で設けられており、各々の溝は、それぞれボア52の大径部56の軸に対して略平行に延びている。 溝68の数、形状、および配置、および/または他の流れ修正構造は、特定のエンジンに存在すると認められている流れの状態に最適な結果を得られるようにするために、変更するようにしても良い。 図示していないが、ばね等の付勢デバイスを用いて、ボール60をその閉鎖位置に付勢するようにしても良い。] [0033] 図1を再び参照して、第1リザーバ14は、排出管路70により駆動装置20に接続されている。駆動装置20は、第1リザーバ14からの比較的に高い圧力の液体を受けて、液体に蓄積されているエネルギを、車輪22に作用させる回転力に変換するポンプユニット72を備えて構成される。] 図1 [0034] 図3を参照して、ポンプユニット72の各々は、ポンプ74と、第1リザーバ14から比較的に高い圧力の液体を受ける吸入口76と、使用済みの液体をポンプユニットから吐き出させる排出口78と、ポンプユニットにより出力される駆動力を接続されている車輪22に伝達する出力軸80と、を含んでいる。 ポンプユニット72は、前進および後進駆動を車輪22に供給できるようにするために、出力軸80の回転方向を選択的に切り換えられるように作動する伝動装置82、および/または他の好適な機構を有している。 圧力センサ84、86の各々は、ポンプユニット72の吸入口側と排出口側の圧力を検知するために設けられている。圧力センサ84、86は、ポンプユニット72の吸入口側と排出口側の圧力を示す信号を制御装置28に送出する。 制御装置28は、センサ84、86からの信号を利用して、車輪22がスリップしているか否かを判断する。車輪がスリップしていると判断されると、制御装置28で制御される電気作動可能な弁88を作動させて、スリップが起きない供給レベルまで、ポンプユニット72を流れる液体の流れを減少させることができる。 車輪22にブレーキをかけるようにポンプユニット72を通る流れを制御する信号を、弁88に送出することも可能である。] 図3 [0035] 図1を参照して、ポンプユニット72からの使用済みの比較的に圧力の低い液体は、管路92を介して第2リザーバ90に排出される。 図では、管路92は1本の配管として示されている。しかし、実際上のところは、各ポンプユニット72に別々の管路が設けられていても良い。 第1管路系統94は、第2リザーバ90から下流側に流体導入制御弁40まで延びており、弁が開いていると、比較的に圧力の低い液体が、第2リザーバからシリンダ12に流入できるようになっている。 第2管路系統96は、第1管路系統94から始動流体導入制御弁42まで延びている。代わりに、第2管路系統96は、第2リザーバから直接延びるようにしても良い。 第2リザーバ90と始動流体導入制御弁42との間の第2管路系統96には、第2リザーバからシリンダ12まで送出される液体の圧力を上昇させるために、始動ポンプ97が設けられている。始動ポンプ97は、制御装置28から受信した信号に応答して動作する。] 図1 [0036] 第1リザーバ14には、第2リザーバ90まで延びると共に圧力逃し弁99が設けられた管路98から構成される圧力逃しシステムが設けられている。 圧力逃し弁99は、過度な圧力を第1リザーバ14から第2リザーバ90に管路98を介して放出できるようにするために、所定の圧力で開くように設定されている。 圧力逃し弁は、センサ46からの信号に応答して動作する電気作動弁や、周知のばね付勢されている一方向圧力逃し弁を含む適当な弁を採用できる。 また、第2リザーバ90に放出する代わりに、過度な圧力を大気中に放出できるようにするために、管路98を省略することもできる。] [0037] 排気システム36は、管路102により排気弁34に接続された熱交換器100と、管路106により熱交換器100に接続されてたコンデンサ104と、を備える。 管路106には、常閉型電磁作動弁108が設けられており、熱交換器100からコンデンサ104への排気ガスの流れを制御できるようになっている。 コンデンサ104は、常閉型電磁作動式排出ガス排出弁112の動作により大気に開放可能な排気口110を有している。 コンデンサ104は、シリンダ12と熱交換器100の容量よりも大きな容量を有しており、排出ガス排出弁112を閉じたままでも、シリンダ12と熱交換器の内容物の略総てを収容できるようになっている。] [0038] コンデンサ104は、管路116を介してリザーバ114に連結されており、コンデンサからの凝縮液が、コンデンサからリザーバに流れるようになっている。 リザーバ114の凝縮液は、管路118を介して冷水噴霧としてコンデンサ104に戻すことができるようになっている。管路118には、凝縮液を冷凍ユニット122を介してコンデンサ104に汲み入れるためのポンプ120が設けられている。弁124が、管路118の排出口端に設けられている。弁124は、冷水を霧状の水滴のミストの状態で送出するノズルを有している。 熱交換器100には、熱交換器内の圧力を示す信号を制御装置28に送出するために、温度センサなどのセンサ128が設けられている。 弁108、112、124、ポンプ120、および冷凍ユニット122は、制御装置28の制御下で動作する。] [0039] 内燃機関10は、第1リザーバ14から熱交換器100まで通じる管路130を備えており、リザーバからの液体が、シリンダ12からの排気ガスで加熱される熱交換機に導かれるようになっている。 液体は、熱交換器100内のコイル132を通流し、コイル132内で加熱されて蒸気の供給源となる。図示していないが、排気ガスから液体への熱伝達を高めるために、フィンやその他の熱回収部材が、コイル132に設けられていても良い。 管路134は、熱交換器からシリンダに蒸気を導くために、熱交換器100からシリンダ12の吸入口端領域に設けられた吸入口までつながっている。 この実施形態では常閉型電磁作動弁である蒸気制御弁136が、シリンダ12への蒸気の流れを制御するために、管路134の下流端に設けられている。蒸気制御弁136は、制御装置28の制御下で動作する。管路134には、一方向弁138が設けられている。] [0040] ここで、図4および図5を参照して、エンジンシリンダ12をより詳細に説明する。 シリンダ12は、シリンダの主側壁152を含む円筒形の本体部150を備える。本体部150は、テーパしており、半球形のシリンダヘッド154で閉鎖される小径の端部と、壁50で閉鎖される大径の端部とを有する。この実施形態では、壁は、全体として円板状を成している。 本体部150は、ボルト158などの適した固定具によって壁50とシリンダヘッド154とに固定される。 シリンダ12を流密および耐圧にして密閉室を画成するために、部品同士の間には、適当なガスケットおよび/またはシーラントが設けられている。] 図4 図5 [0041] 本体部150は、円錐体160を収容する円錐台形状の内部空間を画成している。円錐体160は、壁50に固定または壁50と一体とされており、本体部150の略全長に亘って延びている。 主側壁152と円錐体160の間には、シリンダ12から出力される液体の流路が画成されている。流路は、その上流端を、シリンダ12の吸入口端領域付近に有し、その下流端を、シリンダの排出口端領域に有している。 流路内にひとつ以上の流れ修正構造を任意に設けて、液体の旋回流を生じさせるようにしても良い。 この実施形態では、この流れ修正構造として、螺旋状の壁162が設けられている。壁162は、側壁152または円錐体160で支持することが可能であり、この実施形態では円錐体と一体にされている。 壁162は、円錐体160の周りを円錐体の先端に近い位置から円錐体の底部に近い位置まで連続的な螺旋状になっている。壁162の半径方向の範囲は、壁の外周が主側壁152の近傍に位置するようになっており、これにより、連続的な螺旋状の通路164が流路の長さに沿って画成されている。] [0042] 螺旋形の通路164の下流端は、出力弁装置16の上流端の近傍に位置しており、流路に沿って押し出される液体が、ボア52に流れ込むようにされている。ボア52は、壁50を貫通しており、その下流端から延びるパイプ166を有している。 ボア52とパイプ166は、少なくとも略螺旋状の流路が延長して形成されるように、湾曲した管路となるようにされている。 これは、螺旋の下流に、突然または不必要な方向の変化を受けない流路を形成するためである。流れの方向が変化すると、流出している液体の流速の低下、および/または流体の流れの阻害を生じるからである。そのため、パイプ166を略直線状のパイプとすることが好ましい。] [0043] 図5には、壁50に設けられた吸込み穴168、170であって、第1および第2管路系統94、96と流体導入制御弁40、42を介して、第2リザーバ90から供給される液体を受け入れるためのものが示されている。 吸込み穴168、170から延びる各通路(図示せず)は、壁50を貫通して、主側壁152と円錐体160との間の空間に開口している。 吸込み穴168、170から延びる通路は、壁50内で合流し、共通の排出口端からシリンダに排出するように構成されていてもよい。] 図5 [0044] 図6に示すように、シリンダ12は、長手方向に延びる中央線または軸174を有する。シリンダ12の排出口端領域に向かう流れの方向で、主側壁152および円錐体160は共に、中央線174に対して外側にテーパした状態である。 主側壁152は、角度θで示されるテーパ比を有し、円錐体160は角度αで示されるテーパ比を有する。角度θ、αは等しくなるように、または角度αで画成されるテーパ比が角度θで画成されるテーパ比よりも大きくなるように設定される。 言い換えると、主側壁152の半径R1は、シリンダ12の下流方向に向かうにつれて円錐体160の半径R2の増加率以下の割合で増加する。 これは、側壁152と円錐体160との間に画成される流路における端から端までの断面積が、その長さ方向で増加しないようにするためである。 この実施形態では、円錐体160のテーパ比は側壁152のテーパ比より大きい。 そのため、中央線174の垂直方向で測定したときの流路の断面積(位置176、178および180で示される)は、流れの方向で減少している。そのため、流路は、その下流端に向かうにつれて狭くなっている。] 図6 [0045] 円筒形の本体部150を、流れ方向において、外側にテーパさせているのは、出力弁装置16に向かう液体に旋回流を起こさせるためである。 シリンダ12内に円錐体160が設けられていない場合には、出力弁装置16に向かう流路の円形の断面積が相当に増加することになる。 その結果、流出する液体にキャビテーションが生じて、泡または燃焼ガスのポケットを含むようになり、これらが流出する液体と共に第1リザーバ14に搬送されることがある。これは、ガスが冷却および収縮するにつれて、第1リザーバ14内に望ましくない圧力損失を生ずることがある。 流路の断面積を増加させない、または実際には流れ方向で減少させることによって、シリンダ12から第1リザーバ14に搬送されるガスの量を、少なくとも最小限にできる。] [0046] ここで、図7から図12を参照して、内燃機関10の作動サイクルを説明する。 図7から図12では、弁が開いているときは、ポペット弁のように表示される。この表示は、単に表現しやすいことと、読者に認識されやすいことから採用しており、どのような形であれ請求項の範囲を制限すると解釈するべきではない。 また、表示しやすさと読者に認識されやすくするために、螺旋状の壁162は、図7から図12では省略している。] 図12 図7 [0047] 以下の内燃機関10の動作の説明において、付勢されて出力弁装置16から出力される液体は蒸留水であり、燃料噴射器26から供給される燃料はガソリンである。 しかし、蒸留水以外の液体も作動流体として使用でき、ガソリン以外の燃料も使用できる。] [0048] 図7は、新たな作動サイクルの初期段階における内燃機関10を示す。サイクルの開始時点では、出力弁装置16、吸気弁24、燃料噴射器26、排気弁34および流体導入弁40、42はすべて閉じている。 新たなサイクルを開始するために、制御装置28は、吸気弁24を開いてシリンダ12内に新鮮な吸気200を流入させるために信号を送出する。 吸気弁24が開くタイミングは、シリンダ12内の圧力により決定される。シリンダ内の圧力は、温度センサ44からの温度を示す信号を参照して決定される。 新鮮な吸気200が吸気弁24からシリンダ12に入るときには、シリンダ12内の圧力は大気圧未満であるので、空気はシリンダ内に吸い込まれる。 シリンダ12に吸い込まれた相対的に冷たい空気は、シリンダとその内容物を冷却する。シリンダ12内の低圧力と冷却の結果、空気200はシリンダに取り込まれ続け、シリンダに残っている水202の少なくとも一部が蒸発して蒸気204になる。] 図7 [0049] この吸気フェーズ中の決まった時間に、制御装置28は、燃料噴射器26を開かせる信号を送出して、一定量のガソリン206をシリンダ12に流入させる。これにより、ガソリン206は空気200と混合されて、ガソリンと空気の可燃性混合物となる。 以下より詳細に論じるように、流入させるガソリンの量は、混合物で理論混合比よりもリッチになり、燃焼室内に過剰の炭化水素が提供されるようにする。] [0050] 図8は、空気と燃料を取り込んだ後の吸気弁24および燃料噴射器26が閉じた状態の内燃機関10を示す。 吸気弁24および燃料噴射器26が閉じると、制御装置28は、流体導入制御弁40を開く信号を出す。 駆動装置20から第2リザーバ90に戻った水208は、流体導入制御弁40を通って、シリンダ12に流入する。これにより、シリンダ12は、空気200と蒸気204と燃料206からなる第1流体質量210と、残留水202と流入してくる水208からなる第2流体質量212を収容する。 第2流体質量212がシリンダ12を満たすと、第1流体質量210は圧縮されて、圧力と温度が上昇する。温度センサ44からの信号で示される所定の充満点に達すると、制御装置28は、流体導入制御弁40を閉じる命令を出力する。] 図8 [0051] 図9を参照して、流体導入制御弁40が閉じると、シリンダ12は、第1流体質量210中の空気200/燃料206混合物の燃焼準備ができた状態になる。 燃焼は、制御装置28が、点火プラグ48にシリンダ12内へ火花214を与えさせる信号を出力して開始される。第1流体質量210での燃焼は、圧力の急激な増加と、第1流体質量210の膨張を生じる。膨張する第1流体質量210は、第2流体質量212に直接作用する。 シリンダ12内の圧力は、第2流体質量212を液状のままで保持するのに十分に高いが、第1流体質量210の急激な温度上昇は、2つの流体質量の間の界面で第2流体質量212の水を蒸発させるのに十分であるので、界面は、水蒸気/蒸気が支配的になる。 この蒸発過程は、従来の内燃機関では通常無駄になっていた熱エネルギを利用してシリンダ12内の圧力を一層上昇させるのに役立つ。] 図9 [0052] 図10を参照して、第1流体質量210内で起こる燃焼過程によるシリンダ12内の急激な圧力上昇は、シリンダ12の内容物と第1リザーバ14の内容物との圧力バランスを変化させる。ボール60のシリンダ側により高い圧力が作用してボールを弁座58から持ち上げ、第1流体質量210の急激な膨張によって発生する前進圧力波によって、第2流体質量212を構成する水を高圧高速でシリンダから第1リザーバ14に吐き出させる。矢印214で示すように、水は螺旋状の通路164に沿って流れながら、シリンダの中央線の周りを螺旋状に進む。] 図10 [0053] 図11を参照して、点火プラグ48の動作による燃焼の開始からすぐに、制御装置28は、蒸気制御弁136を開く信号を出力して、制御された量の高圧蒸気218を管路134からシリンダ12に流入させる。 水蒸気改質過程は、約700から1000℃の温度で実行される。噴射された蒸気は、燃焼ガスを冷やすことになるが、蒸気の入力を制御することによって、約1000から2000℃以上の温度を維持することができるので、蒸気が燃料(炭化水素)リッチの可燃性ガスに噴射されると、水蒸気改質が起こって炭化水素からの水素の分離が行われる。 約585℃の温度で水素の自己点火が起こるため、蒸気から放出される水素は自然燃焼する。この結果、シリンダ内の圧力と温度が高まるため、シリンダから第1リザーバ14に水216を吐き出す力が増大する。] 図11 [0054] 過熱状態の水/水蒸気からの水素と酸素の分離は、約2730℃以上で起こる。水蒸気改質過程で生じる水素の燃焼によりシリンダ12内に生ずる高温高圧条件を考慮すると(水素は従来の炭化水素燃料よりも高温で、速く、強く燃焼することから、温度は約3500℃になる)、シリンダへの蒸気218の噴射の制御を継続すると、分離による水素と酸素がさらに生成されることになる。 水素および酸素は、シリンダ12内で燃焼しているガスと混ざって自然に燃焼し、シリンダ12内の圧力がさらに高くなるので、シリンダ内の略総ての水が高圧で第1リザーバ14に確実に吐き出されて、第1リザーバ内の高圧が維持される。] [0055] シリンダ12内の圧力状態が図13に示されている。この図では、実験装置から得られた結果に基づく例示的な圧力−時間曲線が示されており、点線で、従来の内燃機関の出力を表す曲線が示されている。 燃焼は、圧縮工程終了時のシリンダ12内の圧力であるP0で開始される。 燃料リッチの混合物の燃焼の結果、圧力が急上昇してP1になる。これに続くP2までの圧力上昇は、シリンダ12内で行われる水蒸気改質過程で放出される水素の燃焼によるものである。これに続くP3までの圧力上昇は、噴射された蒸気(場合により水212)の分解により生じる水素と酸素の燃焼によるものである。 2つの曲線の下の面積を比較すると、従来の内燃機関に比べて、内燃機関10から追加のパワー出力が相当得られることが分かる。] 図13 [0056] 再び図11および図12を参照して、出力弁装置16が開いて、付勢された水216がシリンダ12から出て第1リザーバ14に流入すると、シリンダ12内の圧力は、第1リザーバ内の圧力(リターンスプリングを用いている場合には、ばね力とリザーバからの圧力とを合わせた圧力)を超えない圧力まで、最終的に低下する。 そして、シリンダ内に水202の残りを残したまま(図7および図12)、ボール60が戻って弁座58に着座する。 シリンダ12内の圧力低下は、温度センサ44から出力される温度を示す信号に反映される。所定の圧力に対応する温度を示す信号が受信されると、制御装置28は、排気弁34を開く信号を出力する(図12)。これにより、燃焼生成物220が、排気弁34から排出されて、シリンダ12内の圧力がさらに低下する。] 図11 図12 図7 [0057] 図1を参照して、シリンダ12から排気弁34を通って流れる燃焼生成物(排気ガス)は、管路102を通って熱交換器100に流入する。排気ガスは、熱交換器内が不完全真空状態であることと、シリンダ12内の圧力が相対的に高いことにより、熱交換器100に吸い込まれる。排気ガスの熱は、コイル132内の水を蒸発させて燃焼中に蒸気制御弁136を介してシリンダ12に供給される蒸気を生成するために、取り出される。] 図1 [0058] センサ128からの信号で示される熱交換器100内の圧力/温度が、所定のレベルに達すると、制御装置28は、熱交換器とコンデンサ104の間の弁108を開く信号を出力する。これにより、排気ガスは、熱交換器からコンデンサに流入できる。 弁108が開くと、コンデンサ104内が不完全真空状態であるので、シリンダ12および熱交換器100から、排気ガスがコンデンサに引き込まれる。 弁108が開いてから所定の時間が経過すると、排気口弁112が開かれて、コンデンサから大気へのガスの排出が可能とされる。 この段階において、シリンダ12と、熱交換器100と、コンデンサ104の圧力は、大気圧と略同じ圧力まで急激に低下する。 センサ128からの圧力を示す信号に基づいて、または開放から所定時間が経過した時点において、制御装置28は、弁112を閉じる。 さらに、制御装置28は、リザーバ114から水を汲み出して冷凍ユニット122を通過させるためにポンプ120を動作させる信号と、弁124を開く信号とを出力する。 冷却水は、弁124からコンデンサ104内に微細な霧状で排出されて、排気ガスを急速冷却する。排気ガスの急速冷却は、シリンダ12からコンデンサ104への排気ガスの流れを維持する圧力降下を生じるので、シリンダ12および熱交換器100に部分的な真空状態が生じる。 排気ガスの冷却は、排気ガスに含まれている水蒸気を凝縮させる、凝縮液は、管路116を介してリザーバ114に還流する。] [0059] 所定圧力(センサ128からの信号から示される)に達すると、制御装置28は、排気弁34および弁108を閉じる信号を出力する。 排気弁34および弁108が閉じられると、熱交換器100は、シリンダ12およびコンデンサ104から隔離される。弁34、108が閉じられると、熱交換器100内に存在する部分的な真空状態は、加熱コイル132を断熱と、次の排気工程の初期段階においてシリンダ12から排気ガスを引き出すのに利用できる。] [0060] 前述した内燃機関10の作動サイクルは、エンジンが駆動しているときに実行される。通常、エンジンが始動した時点では、第2リザーバ90から液体を汲み上げてシリンダ12で所望の圧縮比が得られるほどの十分な圧力がエンジンにはない。 従って、始動時点において制御装置28は、始動流体導入制御弁42を開く信号と、第2リザーバ90からシリンダ12に流体を汲み入れるためにポンプ97を始動させる信号を出力する。 エンジンが正常に動き出したら、制御装置28は、始動流体導入制御弁42およびポンプ97を作動サイクルから外して、前述したように、流体を第2リザーバ90から流体導入制御弁40を介してシリンダ12に供給させる。] [0061] 出力弁装置16が閉じると、シリンダ12内に残留液が常に残るようにエンジンを構成および/または制御するようにされている。これは、燃焼生成物が第1リザーバ14に流入するのを防ぐためである。燃焼生成物が第1リザーバ14内に僅かでも入ると、それらは冷却されて収縮し、その結果として、望ましくないことにリザーバ内の圧力が低下してしまう。] [0062] 図14は、シリンダ12の様々な改良点を示している。これらの改良点は、個別、または組み合わせて実施できる。 第1の改良点は、本体部150の側壁を、固定された外壁250と回転可能な内壁252とからなる二重の壁にしたことである。 外壁250は、側壁152と同様に、壁50およびシリンダヘッド154に固定されている。 回転可能な内壁252は、内壁と外壁の間に配置された円錐ころ軸受254で支持されており、内壁が外壁250に対して相対回転できるようにされている。 これにより、内壁252が、液体の旋回と一緒に回転できるので、旋回に対する抵抗が抑えられると共に、出力弁装置16に向かう液体の流れに対する抵抗が抑えられる。 内壁252は質量を小さくするべきであり、螺旋状の壁164などの流れ修正構造がひとつ以上設けられる場合、それらは円錐体160(または少なくとも内壁252でない)で支持される必要がある。] 図14 [0063] 図14に図示されている他の改良点は、円錐体160が中空であり、端壁50が略環状であることである。 そのため、円錐体160は、シリンダ12と第1リザーバ14を区画する壁の一部として機能し、円錐体の内側258が、第1リザーバ14の一部を成している。 この構成は、排気量を減らすこと無しに、内燃機関全体のサイズを小さくする可能性を提供する。] 図14 [0064] 図14には、吸込み穴168(図5を参照)から、側壁252と円錐体160との間に画成される空間に液体を通す内部通路260が示されている。] 図14 図5 [0065] また、出力弁装置16は、端壁50内ではなく、パイプ166内に位置している。] [0066] シリンダ12内への蒸気218の噴射の制御が重要である。 蒸気の噴射がきちんと制御されずに、シリンダ12に過剰の蒸気が噴射されると、以下のようなひとつ以上の問題が生ずることが予想できる。つまり、燃料空気混合物が、点火させるには湿気を含みすぎた状態になる、可燃性ガスが急冷される、可燃性ガスの冷却およびチャンバ内の圧力損失により大きなパワーロスが生じる、および/またはチャンバ内の温度および圧力が水蒸気改質および/または解離を支えられないレベルまで下がる。 図1に示した実施形態では、制御装置28は、温度センサ44からの温度信号を利用して蒸気の噴射を制御し、シリンダ内の温度が所定レベル未満に下がると弁を閉鎖する。 ここで、シリンダへの蒸気の噴射を制御する代替手段を、図15を参照しながら説明する。] 図1 図15 [0067] 図15に図示する改良した内燃機関10の以下の説明において、図1から図12に図示する部品およびシステムに類似または同一の部品およびシステムは、同じ参照番号を付し、改めて説明しない。] 図1 図12 図15 [0068] 少なくともその動作におけるいくつかのフェーズの間内燃機関の動作を制御するために、シリンダ12内の温度の感知に使用する温度センサは、シリンダ内で起こる温度変化に対する応答性が高くなければならない。 図15では、温度センサは、半透明の窓(図示せず)からシリンダ内の温度を感知する赤外線温度センサ44である。変わりに、例えば、US特許第5659133号公報(この公報の内容は、参照することにより本書に組み込まれる)に開示されたような、高温用埋め込みフォトダイオードを使用しても良い。] 図15 [0069] 温度感知システムの変更に加えて、図15に図示する変更した内燃機関10は、点火プラグ48のプロテクタ49と、改良された排気システム136とを含む。 図1の2つのコンデンサの代わりに、改良された排気システム136は、燃焼工程においてシリンダに噴射される蒸気を提供するために排気から熱を取り出す機能と、排気ガスを冷却して、排気ガスに含まれている水蒸気を凝縮するコンデンサとしての機能を有する熱交換器101を備えている。] 図1 図15 [0070] プロテクタ49は、好適な材料、即ちエンジンの使用時にシリンダ12内の温度と圧力に耐えることができる材料から形成されたシールドであり、点火プラグのカブリおよび/または腐食による点火の失敗を生じさせるおそれがあるしぶきから、点火プラグ48を保護する位置に配置されている。 プロテクタ49は、シリンダ12に流入する空気および燃料の流れと混合を阻害せず、かつ燃料空気混合物内での点火の炎の広がりの阻害を最小限にするような形状および/または位置にする必要がある。特定のシリンダ構成に最適な形状と位置は、経験から決定できる。] [0071] 熱交換器101は、管路102によってシリンダ12に接続されており、シリンダと熱交換器との連通は、図1から図12に図示した内燃機関と同様に排気弁34で制御する。 排気ガスから熱を取り出すことによって蒸気を生成する加熱コイル132は、熱交換器の上流端を貫通して、蒸気制御弁136が装着された管路134によりシリンダに接続されている。 熱交換器101の下流端には、大気に常時開放されていている排気口110がある。熱交換器101は、管路116によってリザーバ114に接続されており、リザーバからの凝縮液は熱交換器からリザーバに流れるようになっている。 管路118は、リザーバ114から凝縮コイル103の吸入口端まで延びている。凝縮コイル103は、熱交換器101の一部であり、加熱コイル132の下流に位置している。 戻り管路119は、凝縮コイル103の排出口端からリザーバ114まで延びている。 戻り管路119および管路118は、凝縮コイル103と共に、排気ガスが熱交換器101を通過するときに排気ガスから熱を取り出す冷却水回路を形成している。 管路118には、リザーバ114から出る水を凝縮コイル103に達する前に冷却するために、ポンプ120およびラジエータおよび/または冷凍ユニット122が取り付けられている。] 図1 図12 [0072] 使用にあたり、排気弁34が開くと、排気ガスは、管路102を通って熱交換器101の上流端に流れ込む。ここで、排気ガスは加熱コイル132を横切る。排気ガスが加熱コイル132を横切ると、ガスから熱が取り出されて、加熱コイルを流れる水を蒸気に変換する。 加熱コイル132の下流では、排気ガスは、凝縮コイル103を流れる冷却水により、さらに熱を失う。 凝縮コイル103は、排気ガスを十分に冷却して含まれている水蒸気を凝縮させ、管路116を介してリザーバ114に戻る凝縮液溜まりを熱交換器101の底部に形成できるようにするために十分な長さで形成されている。 図示していないが、凝縮コイル103および/または加熱コイル132を横切る流路を長くして排気ガスから確実に所望の量の熱を取り去るために、熱交換器101にバッフルを設けても良い。] [0073] この実施形態では、排気口110は大気に常時開放している。シリンダ12の排気ガスをパージするために、排気弁34の閉鎖と吸気弁24の開放を重複させて、流入してくる空気がシリンダを掃気できるようにしている。 吸気弁24の開放と排気弁34の閉鎖を重複させるタイミングは、内燃機関から所望のレベルの出力を得るために、経験に基づき決定できる。] [0074] 図15は、蒸気制御弁136を介してシリンダ12に噴射される蒸気中に可燃性水素含有化合物を供給するシステム280も図示している。 可燃性水素含有化合物は、シリンダ12内の水蒸気改質を促進するために供給される。 図1から図12を参照して説明した実施形態では、蒸気制御弁136を介してシリンダ内に蒸気が噴射されるときに、シリンダ12内で水蒸気改質を促進させるために、シリンダ12に供給される可燃性混合物を燃料リッチにして、過剰の炭化水素が供給されるようにしている。 いくつかの実施形態の場合、燃焼初期にリッチ燃料空気混合物を有するのは望ましくないことがあり、または燃焼の開始後の水蒸気改質のために燃料を増やすのが望ましいことがある。システム280は水蒸気改質過程のために燃料の一部または全部を備えておくために使用できる。] 図1 図12 図15 [0075] システム280は、蒸気制御弁136の上流にある管路134に燃料を噴射する弁282から構成される。弁282は、管路134に噴射されることになる可燃性水素含有化合物を収容するリザーバ284に連結されている。 リザーバ284は、燃料リザーバ30でも、別途設けられたリザーバでも良い。 別途設けられたリザーバである場合、燃料リザーバ30と同じ可燃性水素含有化合物、または異なる化合物を収容していても良い。 このように、例えば、燃料リザーバ30を、例えばシリンダ内に可燃性混合物を形成するための炭化水素燃料の供給に利用できる一方、リザーバ284は、水蒸気改質に適した別の炭化水素またはアルコール、例えばメタノールの供給に利用される。 弁282の動作は、センサ44からの信号に基づいて制御装置28により、または別のセンサからの信号を利用した個別の制御装置により制御できる。] [0076] ある実施形態では、蒸気制御弁136が開いているときに噴射される蒸気が、水素含有化合物が混合された蒸気からなる第1の部分と、水素含有化合物が添加されていない第2の部分とから構成されるように、水素含有化合物を蒸気に間欠的に噴射することが好ましい。] [0077] システム280は、弁284の下流に配置される触媒ユニット286を任意で含むようにしても良い。 触媒ユニット286は、蒸気と混合される可燃性水素含有化合物から水素の放出を促進する触媒物質を備えて構成される。例えば、水素含有化合物がメタノールである場合、クロム酸銅製のパイプを、360℃の温度で触媒として使用できる。 触媒を使用する場合、蒸気制御弁136を介して噴射される流体は、蒸気と水素含有化合物と水素とからなる流体となる。この混合物は、シリンダに噴射されると、シリンダ12内で燃焼する水素を多く生成する水蒸気改質を促進する。] [0078] 改良された内燃機関10では、赤外線感知温度装置(または他の光学温度感知装置)に加えて、熱電対などの温度センサを含む圧力センサを設けることが好ましい。 また、図1から図12に図示した内燃機関には、すでに示した圧力センサの代わりに、または追加して、赤外線温度センサ(または他の光学センサ)を取り付けることや、蒸気制御弁136の上流に、蒸気に可燃性水素含有化合物を添加するシステム280を設けることが好ましい。] 図1 図12 [0079] 図16は、多気筒型内燃機関310を示す。説明の重複を避けるために、内燃機関10と同一または類似の多気筒型内燃機関310の部品は、300を足して同じ参照番号を付しており、詳しい説明は繰り返さない。] 図16 [0080] 多気筒型内燃機関310は、エンジン10のシリンダ12と同じように装備されて動作する5つのシリンダ312(1)〜312(5)を備える。この実施形態では、シリンダ312(1)〜312(5)は、それぞれ共通の吸気システム338および排気システム336に接続され、共通の燃料ポンプ332を介して共通の燃料リザーバ330から送られる燃料噴射器(図示せず)が各々に設けられている。 第2リザーバ390と、第2リザーバから図1に示した弁40、42に対応する流体導入制御弁(図示せず)に流体を送出する始動ポンプ398と、が設けられている。 記載したように共通の部品を利用することは多くのエンジン構成にとって都合が良く、多気筒型内燃機関では、複数の吸気システム、排気システム、液体戻りシステム、および/または燃料ポンプ、およびリザーバを利用できることが好ましい。] 図1 [0081] 第1リザーバ314は、各シリンダ312の出力弁装置316に接続されている。 図示する実施形態では、第1リザーバ314は、環状管状構造である。この「ドーナツ」構成の使用は、流動抵抗による圧力損失を減少させると予想される。このように接続された状態を示していないが、シリンダ312(1)〜312(5)を第1リザーバ314に直接接続できるので、流出する液体は、図1、図4および図13に図示するリザーバに直接流入できる。] 図1 図13 図4 [0082] 第1リザーバ314は、前輪駆動装置320Fと後輪駆動装置320Rとにつながる管路システム602、604に、それぞれ接続されている。 駆動装置320F、320Rは、第1リザーバ314から受ける液体に蓄積されたエネルギを駆動力に変換して、各対の車輪322F、322Rを回転させる。駆動装置320F、320Rは、各々が使用済み液体を第2リザーバ390に戻し、図1の駆動装置20と基本的に同じように動作する。] 図1 [0083] この実施形態では、制御装置328は、マスターエンジン制御装置606の制御下で、個々のシリンダ312(1)〜312(5)の動作を制御する。マスターエンジン制御装置606は、運転手により操作されるペダルおよび/またはボタン(図示せず)からの入力命令を受信すると共に、駆動装置320F、320Rの動作も制御する。 図示していないが、駆動装置320F、320Rの制動機能を制御する制御装置を別途設けるようにしても良い。 そのような制御装置は、内燃機関310の制御に全体的な責任を負うマスター制御装置606に接続されることになる。] [0084] 使用時において、多気筒型内燃機関310の個々のシリンダ312(1)〜312(5)は、エンジン10と同様に動作する。個々のシリンダ312(1)〜312(5)の活動レベルは、第1リザーバ314の圧力に基づいて制御する。第1リザーバ314の圧力が所定のレベルを上回り、エンジンへの要求が低い場合、動作するシリンダ312(1)〜312(5)の数を、それに比例して減らすことができる。] [0085] ここで、駆動装置に接続される別の内燃機関710を、図17を参照しながら説明する。 以下の説明では、駆動装置720が自動車の駆動に使用される場合を例に挙げるが、このような用途に限定されるものではない。 内燃機関710および駆動装置720は、図1から図12で図示した内燃機関10および駆動装置20に対応または類似した多くの特徴および構成を有する。 重複を避けるために、以下の説明では、図1から図12に図示したものと同一または類似の構成については、700を足して同じ参照番号を付して、詳しい説明を繰り返さない。 説明しやすくするために、内燃機関710は単気筒型エンジンとして説明する。しかし、内燃機関710は、例えば図16を参照して説明した多気筒型エンジンでも良いことは明らかである。] 図1 図12 図16 図17 [0086] この実施形態では、内燃機関710は圧縮点火機関であり、燃焼工程で付勢される作動流体は蒸留水、または水と腐食防止剤との混合液である。] [0087] 内燃機関710は、エンジンブロック(図示せず)で画成される密閉されたシリンダ712として1つの燃焼室を備える。シリンダ712は、その長手方向でテーパしており、その下側の広い端部に第1リザーバ714が接続されている。シリンダ712と第1リザーバ714との間の接続部に出力弁装置716が設けられている。 この実施形態では、出力弁装置716は、電気作動弁を含む他の適したどの形態の弁でも使用できるが、図2に示した弁16と同様な圧力作動式一方向弁である。 第1リザーバ714は、シリンダ712から出力される比較的に高い圧力の水を蓄積するために使用される。 第1リザーバ714には、リザーバ内が過度の圧力になることを防ぐ圧力逃し弁718が設けられている。図示していないが、内燃機関710には、圧力逃し弁718の代わりに、図1に図示したものと同様な圧力逃しシステムを設けるようにしても良い。] 図1 図2 [0088] 第1リザーバ714に蓄積される水は、比較的に高い圧力で駆動装置720に供給される。駆動装置720は、この実施形態の2つの駆動装置のうちの一次ユニットであり、二次ユニットは、以下において詳しく説明する。 一次駆動装置720は、図1および図3に関連して説明した車両(図示せず)の車輪を駆動する各ポンプ(これも図示せず)を備える構成であっても、図16に関連して説明した個別の前後の駆動装置を備える構成であっても良い。 図示された実施形態では、一次駆動装置720は、第1リザーバ714から受ける比較的に高い圧力の水に蓄積されるエネルギを車両の車輪の回転に利用される駆動力に変換するポンプである。 第1リザーバ714と一次駆動装置720との間には、電気作動式制御弁721が設けられており、リザーバから駆動装置への水の流れを制御するように作動される。] 図1 図16 図3 [0089] シリンダ712には、吸入弁装置として、吸気弁724および燃料噴射器726が、排気弁装置として、排気弁734が設けられている。 排気弁734は、排気システム736に出力する。吸気弁724は、図1に関連して説明した吸気システム38などの吸気システム(図示せず)に接続され、燃料噴射器726は、例えば、図1に図示する燃料噴射器26と同様に、燃料ポンプを介して燃料リザーバに接続されている。] 図1 [0090] 制御弁721、吸気弁724、燃料噴射器726、および排気弁734の動作は、マイクロプロセッサベースの制御装置728を含む制御システムで制御される。 制御装置728は、エンジンの動作のあらゆる面も制御するより高いレベルのエンジン管理制御装置でもよく、または特定のエンジン機能の操作専用で、より高いレベルのエンジン管理コントローラに接続されたユニットでも良い。 図面を分かりやすくするために、制御装置728と、制御装置により制御される部品および/または制御装置が信号を受信する部品との接続は図示していない。] [0091] 図1のシリンダ12と同様に、シリンダ712には、第2リザーバ790から供給される作動流体(水)のシリンダへの導入を制御する2つの電気作動式流体導入制御弁740、742が設けられている。 始動流体導入制御弁740は、エンジンの始動時において、第2リザーバ790から供給される比較的に低い圧力の流体(水)の導入を制御する。 始動流体導入制御弁740を通ってシリンダ712に導入される水は、始動ポンプ797で加圧される。導入制御弁742は、内燃機関710の通常動作時において、第2リザーバ790からの比較的に低い圧力の水の導入を制御する。] 図1 [0092] シリンダ712には、第3リザーバ1004からの温水のシリンダへの導入を制御する2つの電気作動式温水導入制御弁1000、1002が設けられている。 第1温水導入制御弁1000は、シリンダ内の吸気を圧縮する工程において、シリンダ712の下側の大径の端部への温水の導入を制御する。第2温水導入制御弁1002は、シリンダ712の上側の小径の端部への温水の導入を制御する。 4つの電気作動式導入制御弁740、742、1000、1002の各々は、制御装置728からの信号で制御される。] [0093] シリンダ712には、円錐体860と、図4および図5に示したシリンダ12と同様に螺旋状の流路864を画成する螺旋状の壁とが設けられている。] 図4 図5 [0094] 第3リザーバ1004は、シリンダから第1リザーバ714への加圧水を補助的に受けるために、シリンダ712に接続されている。 第3リザーバ1004への水の導入は、制御装置728からの信号で制御される電気作動弁1006で制御される。 第3リザーバ1004は、第3リザーバからの温水を第1温水導入制御弁1000を介してシリンダ712に導く排出管路1008に接続された第1排出口を有している。 第3リザーバ1004は、第2温水導入制御弁1002につながる排出管路1010に接続された第2排出口を有している。 排出管路1010には、第3リザーバ1004から出力される温水の圧力を上昇させるためのポンプ1012が設けられている。 第3リザーバ1004とポンプ1012との間の排出管路1010には、電気作動式排出弁1014が任意に設けられている。排出弁1014の機能は、ポンプ1012によって提供できる。] [0095] 第3リザーバ1004は、電気作動式制御弁1018を介して二次駆動装置1016に接続される第3排出口を有する。電気作動式制御弁1018は、制御装置728からの信号で作動して、第3リザーバ1004からの二次駆動装置1016への比較的に高い圧力の水の放出を制御する。 図示する実施形態では、二次駆動装置1016は、水に蓄積されるエネルギを自動車両の車輪の駆動に利用できる力に変換するポンプユニットである。 図示された個別の駆動装置720、1016を有する代わりに、第3リザーバ1004が駆動装置720に送出する構成とし、この場合において、エンジンが、第1リザーバ714からの供給と、第3リザーバ1004からの供給とを、切り換えることができる構成を備えているようにしても良い。 さらに別の変形例として、2つのリザーバの平均出力圧にマッチするサイズに設定された羽根セットを有するポンプに出力し、それぞれの出力を連携させて、ひとつの出力軸の駆動に用いるようにしても良い。] [0096] 排気システム736は、管路802により排気弁734に接続される第1コンデンサ800と、管路806により第1コンデンサ800に連結される第2コンデンサ804と、を備える。 管路806には、第1コンデンサ800から第2コンデンサ804への排気ガスの流れを制御できるようにするために、常閉型電磁作動弁808が設けられている。 第2コンデンサ804は、大気に開放された排気口810を有している。第1および第2コンデンサ800、804は、それぞれ管路816に連結されている。 コンデンサからの凝縮液は、管路816を通ってリザーバ814に流入する。 コンデンサ800からの凝縮液は、制御装置728で制御される常閉型電磁作動弁817で制御する。管路818は、水リザーバ814から常閉型電磁作動弁824の各々につながっている。 管路818には、水リザーバ814から取り出された水を加圧するための水ポンプ820が設けられている。水ポンプ820と弁824との間の流路には、ラジエータ821、そして任意で冷凍ユニット822が設けられている。弁824と水ポンプ820は、制御装置728で制御されて、第1および第2コンデンサ800、804に、微細な冷却水の噴霧を供給するようになっている。] [0097] 制御装置728に加えて、内燃機関710の制御システムは、シリンダ712、第1リザーバ714、第2リザーバ790、排気システム736の第1コンデンサ800、および第3リザーバ1004の圧力を感知する各圧力センサ744、746、791、828、1020を有している。 各圧力センサは、制御装置728で使用するために圧力を示す信号を送出する。それぞれの場合において、圧力センサ744、746、791、828、1020は、圧力を示す信号を送るのに適していれば、熱電対などの温度センサを含のどの形態のセンサでも良い。] [0098] ここで、内燃機関710の動作を図17から図23を参照しながら説明する。] 図17 図23 [0099] 図17に、エンジン始動時の内燃機関710が示されている。エンジン始動が開始されると、制御装置728は、始動流体導入制御弁740を開いて、始動ポンプ797を始動させる。 始動ポンプ797は、第2リザーバ790からの比較的に低い圧力の水の圧力を上昇させて、始動流体導入制御弁740を介してシリンダ712に汲み入れる。 シリンダ712は、吸気からなる第1流体質量1022と、流入する加圧水と始動時にシリンダ712内に残留している水とからなる第2流体質量1024を収容する。 第2流体質量1024がシリンダ712を満たすと、第1流体質量1022は圧縮されて、圧力と温度が上昇する。 センサ744からの信号が、第1流体質量1022の圧力が所定のレベルであることを示すと、制御装置728は、始動導入制御弁740を閉じる信号を送出すると共に、始動ポンプ797を停止させる。 この実施形態では、第1流体質量1022は、エンジンで使用される燃料がシリンダ712に噴射されたときに自然に点火する圧力まで加圧される。] 図17 [0100] 図18を参照して、始動導入弁740が閉じると、制御装置728は、燃料噴射器726を開いて、燃料1026を第1流体質量1022に噴射させる信号を送出して、燃焼イベントを開始させる。 燃料1026が高温の圧縮空気と混ざると、燃料が点火して燃焼が起こるので、シリンダ712内に急激な圧力上昇が生じる。シリンダ712内の圧力は、2つの流体質量1022、1024の間の界面における局部的な水蒸気形成は別にして、水の状態を変化させずに液状のままで保持させる。] 図18 [0101] 燃焼イベントの開始に続くシリンダ712内の急激な圧力上昇は、出力弁装置716に作用する圧力バランスを変化させる。出力弁装置716は、開くことによって応答して、急激に膨張する燃焼ガスにより発生する圧力波が、第2流体質量1024の一部をシリンダから第1リザーバ714に吐き出させるので、比較的に高速度の水流1028として付勢された流体の流れを生ずる。] [0102] 図19を参照して、出力弁装置716が開いて、第1リザーバ714への水の流れ1028が始まると、シリンダ712内の圧力は急激に減少する。これは制御装置728で受信されるセンサ744からの圧力を示す信号に反映され、圧力が所定のレベル未満に下がると、制御装置728は、シリンダ712と第3リザーバ1004との間の弁1006を開く信号を送出する。 弁1006が開くと、水1030は、シリンダ712から第3リザーバ1004に流れ込むことができるようになる。これにより、シリンダ712内の圧力はさらに低下し、その結果、出力弁装置716のボール760が急激に後退して、第1リザーバ714内の比較的に高い圧力(そして、戻り付勢部材が設けられている場合にはその圧力)の影響下で、その弁座と密封接触する。 シリンダ712内の圧力降下は、蒸気が形成し始める点にいずれ到達する。蒸気圧は、第3リザーバ1004への加熱水の流れを維持し、それによってリザーバ内の圧力が上昇する。] 図19 [0103] 弁1006を開く信号が送出されたときに、制御装置728は、第2温水導入弁1002と排出弁1014を開く信号を送出すると共に、ポンプ1012を起動させる。 その結果、第3リザーバ1004からの加熱された水は、排出管路1010を介して汲み出され、第2温水導入弁1002を出て、シリンダ712に入る。 第2温水導入制御弁1002は、加熱水を霧状の水滴として出力して、シリンダ12に加熱された水滴の細かいミストを供給するように構成されている。 シリンダ712に依然として残っている燃焼熱が、シリンダに噴霧された加熱された水滴1032を蒸発させて、さらに多くの蒸気を生成する。生成した蒸気は、より多くの温水を第3リザーバ1004に押し流す。 制御装置728は、センサ744、1020から供給される圧力を示す信号を用いて、シリンダ712と第3リザーバ1004内の圧力をそれぞれモニタする。シリンダ712内の圧力が、第3リザーバ1004内の圧力に近いレベルまで下がると、制御装置728は。弁1002、1006、1014を閉じる信号を出力する。] [0104] 図20を参照して、この段階においてシリンダ712内の圧力はまだ比較的に高く、排気工程が開始される。弁1002、1006が閉じられた状態で、制御装置728は、排気弁734を開く信号を送出し、排気ガスをシリンダ712から第1コンデンサ800に流入させる。圧力が大気圧に近い始動時を除き、第1コンデンサ800には部分的な真空状態が存在する。疑問の余地がないように言うと、この段階で、弁808、817、824は閉じているので、第1コンデンサ800はシリンダ712内の圧力を除くすべての外部圧力から隔離されている。シリンダ712内の排気ガスは、急激に第1コンデンサ800に排気されると共に、シリンダ内の圧力が低下し、第1コンデンサ内の圧力が上昇する。 第1コンデンサ800が、例えば、冷却水回路によって冷却されると、排気ガスに含まれる水蒸気が凝縮されて、コンデンサの底部に液溜まり1034を形成する。 さらに、制御装置728は、弁824を開く信号と、水ポンプ820にリザーバ814から、冷却用ラジエータ821、そして設けられている場合には冷凍ユニット822を介して、水のくみ出しを行わせる信号を送出する。 冷却された水は、管路818を伝って、第1および第2コンデンサ800、804に冷却水噴霧1036として入る。 第1コンデンサ800内の水噴霧1036は、排気ガス中の水蒸気の凝縮を支援する。第2コンデンサ804内の冷却水噴霧は、コンデンサを予備冷却する。] 図20 [0105] センサ744、828からの圧力を示す信号で示されるシリンダ712と第1コンデンサ800の圧力が略等しくなると、制御装置728は、第1コンデンサ800と第2コンデンサ804との間の弁808を開く信号を送出する。これにより、シリンダ712は、排気口810で大気圧に開放される。その結果、排気ガスは、第1および第2コンデンサ800、804を通って大気中に流れる。 第1および第2コンデンサ800、804内での排気ガスさらなる冷却は、排気ガス中の水蒸気を凝縮させる。 センサ744、828からの信号で示される第1コンデンサ800内の圧力が、十分に低いレベルまで下がると、制御装置728は、弁817を開く信号を送出する。コンデンサ800、804の底部に形成された液溜まり1034からの凝縮液は、コンデンサから管路816を介してリザーバ814に流れる。] [0106] センサ744、828からの圧力を示す信号で示されるシリンダ712および第1コンデンサ800の圧力が、大気圧または別の所定のレベルに達すると、制御装置728は、弁808、817を閉じる信号を送出する。 コンデンサ800、804内への冷却水噴霧1036は継続される。第1コンデンサ800内への冷却水噴霧は、さらなる冷却と急激な圧力低下を起こし、第1コンデンサおよびシリンダ712に部分的な真空状態を生じさせる。 センサ828からの信号で示される第1コンデンサ内の圧力が、所定のレベルに到達すると、制御装置728は、次のサイクルのために部分的な真空状態を隔離させるために、排気弁734および弁824を閉じる信号を送出する。] [0107] 図21を参照して、制御装置728は、吸気弁724を開く信号を送出して、新たな燃焼サイクルを開始させる。 吸気弁724が開くと、吸気(矢印1042で示す)は、シリンダ712内に吸い込まれて真空に置き換わり、第1流体質量1022となる。] 図21 [0108] 図22を参照して、センサ744からの圧力を示す信号が、シリンダ712内の圧力が大気圧(または別の所定の圧力)であることを示すと、吸気弁724が閉じられると共に、流体導入制御弁740を開く信号が送出されて、第2リザーバ790からの水がシリンダ712に流入できるようになり、第2流体質量1024が形成されると共に、第1流体質量1022を加圧する。 センサ744、791からの信号が示す第2リザーバ790とシリンダ712の圧力が等しくなると、制御装置728は、流体導入制御弁740を閉じる信号を送出する。 センサ744からの圧力を示す信号が、シリンダ712内の圧力が、自己点火が起こるのに必要と判断される所定のレベルまで上昇していないことを示している場合、制御装置728は、第1温水導入制御弁1000を開く信号を送出し、第2リザーバ790内の水よりもより圧力が高い第3リザーバ1004からの加圧水を、排出管路1008からシリンダ712の下端に流入させる。 センサ744からの圧力を示す信号が、シリンダ712内の圧力が自己点火に必要なレベルに達したことを示すと、制御装置728は、第1温水導入制御弁1000を閉じる信号を送出する。 この段階で、第1流体質量1022は加圧されて、図18に図示したように燃料噴射器726からの燃料の噴射準備が整った状態になる。 そして、シリンダ712は前述した燃焼および排気シーケンスを繰り返して、自動車の運転手により入力された要求に合わせて、第1リザーバ714内の所望の圧力を維持する。] 図18 図22 [0109] 図23を参照して、第1リザーバ714および第3リザーバ1004の制御弁721、1018が、それぞれ、付勢された流体を一次および二次駆動装置720、1016に流れ込ませるように開いている状態が示されている。 2つの駆動装置720、1016は、第1および第3リザーバ714、1004から出力される水に蓄積されたエネルギを、自動車(図示せず)の車輪を駆動するために利用される力に変換する。 制御弁721、1018は、制御装置728、または運転者による需要入力に応じた信号を送出する他のエンジン制御装置からの信号に応じて、開閉する。] 図23 [0110] 従来のCIおよびSI燃焼機関の動作時に生成される熱の多くは、冷却工程により失われなければならず、一部は排気流の中で失われる。 このような冷却工程は、エンジンの出力軸に接続されていると共に、自身がエンジンの出力パワーの一部を吸収することになるファンの利用を含むことがある。 ある概算では、このように無駄になるエネルギは、エンジンに入力される燃料エネルギの36%、または生成される熱の約75%になると見積もられている。 図示した実施形態に組み込まれた工程は、無駄になるエネルギの少なくとも一部を取り入れており、その結果として、そのようなエンジンは、従来の内燃機関よりもエネルギ効率がかなり良くなることが予想される。 燃料消費率の改善とある所定のパワー要求に対して物理的に小型化したエンジンの採用が見込まれることは別として、そのようなことは、エンジンに燃料として供給される水素を生成する車載水素抽出装置を、自動車に備えることを可能にするはずである。] [0111] 図23に図示するように、二次駆動装置1016は、水素抽出装置1050(破線で示す)に任意に接続されていても良い。 水素抽出装置1050は、従来の水素抽出装置のうちの適したものであれば、どのようなものでも良い。 水素抽出装置1050は、二次駆動装置1016が出力する機械的な力によって駆動するようにしても良い。代わりに、水素抽出装置1050は、二次駆動装置のトルク出力によって駆動される発電機から得られる電気で動かすようにしても良い。さらに他の態様として、水素抽出装置の一部を形成する駆動装置に、第3リザーバ1004から流体を供給するようにしても良い。] 図23 [0112] 好適な水素抽出装置1050は、アルミニウム−ガリウム合金製のペレットを含む一連の燃料電池から構成される。水が吸引されて燃料電池のペレットに接触すると、水分子の分裂により水素が自然に発生し、貯蔵リザーバを設ける必要無しに、エンジンに直接供給できる。アルミニウムは酸素に強く引き寄せられるため、アルミニウム製のペレットは入ってくる水と反応して、徐々に消費され、交換しなければならなくなる。しかし、この過程は有毒な煙を放出せず、ガリウム製のペレットは何度もリサイクルできる。] [0113] 内燃機関が、燃料として水素を利用する場合、要求に応じて車内で水素を生成することは、通常液化する必要のある水素用の貯蔵タンクの必要がなくなるので好ましい。 そのような貯蔵は、多くの空間を必要とし、貯蔵された水素は引火性が高いというさらなる欠点がある。 水素貯蔵能力を備えられない場合、エンジンの始動に供されるエタノール、ガソリンまたは同様な他のものを供給する燃料供給システムと共に、ハイブリッド構成で使用できる。 水からの水素の抽出は、酸素を供給することになるが、これをエンジンの吸気に使用して、燃焼室に酸素のみ、または酸素に富む空気が吸入されるようにしても良い。] [0114] 水素を燃料として利用する実施形態では、水蒸気改質用の燃料は不要である。 水素が燃焼するときの速度と激しさを考慮すると、水蒸気改質無しで、熱分解を達成するのに十分な熱を発生できる。しかし、そのような場合でも、水蒸気改質を生じることのできる少量の燃料を水素・空気混合物に添加することが好ましい。 図15に図示するシステム280と同一または類似のシステムを使用して、燃焼前または燃焼中に燃料を添加できる。] 図15 [0115] ここで、内燃機関710の改良を図24を参照しながら説明する。 説明の重複を避けるために、図17から図23と同様の部品は同じ参照番号を付している。 図24に図示する改良された内燃機関1110は、吸気弁724の上流に配置された過給機1060を吸気システムが有しており、第2流体質量1022のレベルがシリンダに必要なレベルに達したことを検知する装置1062が、シリンダ712に設けられている点が、図17から図23に図示した内燃機関710と異なっている。 レベル検知装置1062は、高温高圧環境で液体のレベルを検知するのに適したあらゆる形態のセンサ装置にすることができ、光学センサであってもよい。] 図17 図23 図24 [0116] 改良された内燃機関1110の動作は、排気工程と吸気工程とが内燃機関710と異なっている。内燃機関の動作は変更していないため、排気工程と吸気工程のみを説明する。] [0117] 排気工程の開始時点では、弁734、808、817、824は閉じている。排気工程は、排気弁734が開いて開始される。 制御装置728は、弁824を開く信号を送出し、ポンプ820に揚水を開始させる信号を送出して、コンデンサ800、804内に冷水噴霧1036を供給させる。 これも前述したように、凝縮液1034の液溜まりが第1コンデンサ800の底部に形成されて、これに続いて弁808、817が開かれる。 センサ744からの信号で示されるシリンダ712内の圧力が所定のレベルに達すると、制御装置728は、第2流体質量1024を形成させるために、流体導入制御弁742を開く信号を送出して、第2リザーバ790からの比較的に低い圧力の水をシリンダに流入させる。 流入する水は、排気ガスをシリンダ712から排気システム736に移動させる。レベル検知装置1062からの信号が、第2流体質量1024が所定レベルに達したことを示すと、制御装置728は、流体導入制御弁742に閉じる信号を送出する。] [0118] 流体導入制御弁742を閉じる信号が送出されると、制御装置728は、吸気弁742を開き、過給機1060の動作を開始させる信号を送出する。 過給機1060は、高圧の空気をシリンダ712に吹き込む。吸気弁724を開く信号を送出するとすぐに、制御装置728は、排気弁734を閉じる信号を送出する。 吸気弁724の開放と排気弁734の閉鎖の重複は、シリンダ712に吹き込まれた空気が、残留している排気ガスをシリンダから排気システム736に吐き出すように設定される。] [0119] 排気弁734が閉じた後も吸気弁724は開いたままであるため、過給機1060は、燃料がシリンダに噴射されたときに自己点火を起こすのに十分高い圧力で第1流体質量1022を形成するために、多量の高圧空気を送出できる。] [0120] 改良された内燃機関1110では、第2リザーバ790から流入する水と過給機1060からの高圧の空気を利用してシリンダ712から排気ガスを吐き出すので、冷却の程度が小さくなる。] [0121] 過給機1060を使用することの利点は、異なる種類の燃料を使用する場合に、第1流体質量1022の設定圧を自己点火を起こさせるのに適したレベルに比較的簡単に調整できることである。従って、エンジンの標準の動作設定を容易に調整できるので、エンジンを異なる燃料で運転させることができるようになる。] [0122] ここで、図24に図示する内燃機関1110の変型である内燃機関1210を、図25から図27を参照しながら説明する。説明の重複を避けるために、図24と同様の部品は同じ参照番号を付している。] 図24 図25 図27 [0123] 内燃機関1210は、シリンダにおいて、弁1212が位置している上端に隣接して狭窄部が設けられていること、そして2つの排気弁1214、1216と、点火プラグ1218である着火装置が設けられていることが、図24の内燃機関1110とは異なる。] 図24 [0124] 図25を参照して、弁1212は、弁座1220と、ボール1222である移動可能な弁部材と、を備える。 弁座1220は、狭窄部を画成するシリンダ712の壁、またはシリンダの壁に取り付けられたひとつ以上の部材により画成される。 ボール1222は、ボールに作用する力の変動に対する反応性を向上させるために、比較的に低密度の材料、および/または中空で形成されていることが好ましい。 弁1212には、弁座1220から離れる方向のボール1222の動きを制限するための保持具1224が設けられている。 保持具1224は、ボールのそばを通ってシリンダの下端に向かう流体の比較的自由な流れを認めると共に、内燃機関1210を使用しているときに受ける圧力および温度に耐えることができる一方で、弁座1220から離れるボール1222の動きを制限することができれば、どのような形態であっても良い。 保持具1224は、例えば、図2に関連して説明した保持具のいずれかと同様にしても良い。弁1212は、ボールを弁座1220に係合させるように付勢する付勢デバイス(図示せず)を有していても良い。付勢デバイスは、例えば、ボール1222と保持具1224との間に配置された圧縮ばねから構成される。図25に図示する一方向圧力作動弁の代わりに、弁1212は、例えば、制御装置728からの信号に応答して開閉する電気作動弁から構成されるようにしても良い。] 図2 図25 [0125] 弁1220は、閉じられると、シリンダを、第1部分または第1サブチャンバ1226と、第2部分または第2サブチャンバ1228とに分割する。 シリンダ712を排気システム736の第1コンデンサ800に接続する二又分岐管路には、2つの排気弁1214、1216が設置されている。 最上部の排気弁1214は、第1サブチャンバ1226に連通する管路のアーム1230に設けられており、最下部の排気弁1216は、第2サブチャンバ1228に連通する管路のアーム1232に設けられている。] [0126] 点火プラグ1218は、シリンダ712の上端に、燃料噴射器726に隣接して設置されており、第1サブチャンバ1226に放電できるようになっている。] [0127] 使用時において、燃焼イベントの開始の少し前に、第1サブチャンバ1226が第2サブチャンバ1228から隔離されるように、ボール1222は弁座1224に着座する。 この段階で、第1サブチャンバ1226には、第1流体質量1022である加圧空気が満たされており、第2サブチャンバ1228には、レベルセンサ1062で設定したレベルまで水が充填されている。 燃料噴射器726は、制御装置728の制御下で燃料を第1サブチャンバ1226に噴射して、第1サブチャンバ1226内において燃料は、第1流体質量1022である空気と混合されて、可燃性混合物となる。 燃料噴射器726か開放されてから予め設定された時間が経過すると、制御装置728は、燃焼を開始させるために、点火プラグ1218に可燃性混合物中に放電させる信号を送出する。 混合物が燃焼すると、第1サブチャンバ1226内の圧力が急上昇して、ボール1222が弁座1220から離れるので、高温の急膨張する燃焼ガス1236が、第2サブチャンバ1228に急激に流れ、第2流体質量1024を形成する水に作用する圧力波となって、前述したように付勢された水の流れとしてのエンジン出力を供給する。] [0128] 図26を参照して、制御装置728が排気弁1214、1216を開く信号を送出して排気工程が開始されると、燃焼生成物は、第2流体質量1024を形成する第2リザーバからの流入水により、第1および第2サブチャンバ1226、1228から吐き出される。 第2サブチャンバ1228からの燃焼生成物は、管路のアーム1232を通って、排気システム736の第1コンデンサ800に流入する。 流入する水によるシリンダ712内の水位の上昇(および付勢デバイスが設けられている場合には付勢力)は、ボール1222を戻して弁座1224と係合させるので、第1サブチャンバ1226は再び第2サブチャンバ1228から隔離される。] 図26 [0129] 図27を参照して、レベルセンサ1062からの信号によって示される第2流体質量1024を形成する流入水のレベルが所定のレベルに達すると、制御装置728は、最下部の排気弁1216を閉じる信号を送出する。 最上部の排気弁1214が開いたままであるため、第1サブチャンバ1226からの燃焼生成物は、管路のアーム1230を通って排気システム736の第1コンデンサ800に流入できるままである。 最下部の排気弁1214の閉鎖と同時、またはその後間もなくして、制御装置728は、吸気弁724を開く信号を送出して、過給機1060からの圧縮空気を第1サブチャンバ1226に流入させる。流入する空気は、残っている燃焼生成物を、第1サブチャンバ1226から最上部の排気弁1214を通過させて排気システムに吐き出させる。 吸気弁724の開放から間もなくして、制御装置728は、最上部の排気弁1214を閉じる信号を送出し、第1サブチャンバ1226に第1流体質量1022を形成する空気を充填する工程は、センサ744からの信号で示される所要圧力で終了する。 この段階で、シリンダ712は燃料噴射器726を介して燃料を受ける準備が整う。] 図27 [0130] 第1サブチャンバ1226を第2サブチャンバ1228から隔離させる弁1212が存在するので、点火プラグ1218は、比較的乾燥した環境で動作でき、これにより、点火できなくなる可能性を低くできる。 さらに、着火装置が設けられているため、内燃機関1210において過給が必要とされないかもしれないが、過給機1060を使用することによって、エンジンの性能を向上させることができる。 1つの点火プラグ1218だけを図示しているが、燃焼工程を改善するために追加の点火プラグを設けても良い。] [0131] 図示する実施形態の内燃機関は、燃焼室の壁に対してシールする必要のあるピストンやロータを持たないため、燃焼室の壁が滑らかな表面である必要はない。 よって、急激に移動する流体とこれらの表面との間での抵抗を減じるように表面を粗くしても良い。粗面処理は、適したあらゆる形態をとることができる。 考えられることの一つが、燃焼室の壁にサメ皮を模した畝模様のある表面を設けることである。 図28に示すように、サメ皮を模した表面1300は、隆起1304が形成された歯状小板1302を複数備えて構成される。図示する実施形態では、隆起1304は、大まかに整列しており、表面では、流体の大まかな流れ方向に延びるように隆起が形成されている。 図1から図27に図示する実施形態の場合、隆起1304は、螺旋状の通路164、864により覚せいされる螺旋状の流路に沿うように設けられている。さらに、螺旋形の通路164、864を画成する部分に粗面処理を施すようにしても良い。 あるいは、隣接する小板1302の隆起が別々の方向に延びるように、隆起1304を設けても良い。これは、境界層を断ち切り、シリンダ内における流体の流れを改善するのに有効である。] 図1 図27 図28 [0132] 図29は、図1から図24に図示するような構造を有する内燃機関で使用できる流体ホルダ1400を図示している。 図4を参照して、流体ホルダ1400は、本体部150と半球状のシリンダヘッド154との間に挟み込まれるようにされている。 流体ホルダ1400は、半球状のシリンダヘッド154を本体部150に固定するために使用されるボルト158などのデバイスを受けるために、周方向で等間隔に貫通穴1404が設けられた環状支持部材1402で構成される。 環状支持部材1402は、流体保持部1406を支持している。流体保持部1406は、支持部材1410で互いに接続された複数の流体保持部材1408を備える。 図示する実施形態では、支持部材1410は、メッシュ構造であるが、好適な構成の支持部材であればどのようなものでも使用可能である。流体保持部材1408は、流体を保持するために浅い皿またはカップ形状の構造である。] 図1 図24 図29 図4 [0133] 使用時において、シリンダ12、712に噴射された流体は、流体保持部材1408に保持され、流体保持部材1408は、燃焼前に可燃性混合物が位置することになるシリンダの吸入口端領域に配置されるように、支持部材1402によって支持されている。 可燃性混合物の燃焼が開始すると、流体保持部材1408が保持する流体の小さなポケットが燃焼ガス中に配置されて、燃焼熱に完全に暴露される。流体保持部1406の構造は燃焼熱をほとんど吸収しないようにして、容器は保持される流体の量が著しい冷却効果を生じないようなサイズにする。あるいは、流体の浅いポケットが燃焼熱に完全に暴露されて、水蒸気改質および/または解離のための蒸気を容易に形成する。] [0134] 流体ホルダは、種々の形態をとることができ、図29に図示する構造に限定されない。 例えば、流体保持部を、略平らにする、および/または多数の比較的小さい流体保持ポケットを画成するようにしても良い。略平らな表面には、例えばマイクロピッチングにより、流体保持機構を設けるようにしても良い。] 図29 [0135] 図示された実施形態では、流体保持部材1408は共通の平面上にある。 代わりに、別々の平面上に流体保持部材を支持させるように支持部材を構成しても良い。これにより、シリンダ内での可燃性混合物と燃焼ガスの比較的に自由な流れを可能にしつつ、燃焼ゾーンに設けられる流体保持部材の密度を高めることができるようになる。 あるいは、いくつかの実施形態において、流体保持面を別々の平面上に設けるために、複数の流体ホルダ1400を使用するようにしても良い。] [0136] 流体ホルダの配置は、理想的には、流体ホルダが吸収する熱量と、流れおよび/または吸気工程における可燃性混合物の混合、および/または、排気工程における燃焼生成物の排気、および/または、可燃性混合物の燃焼中における燃焼ガスの膨張に対する障害を最小にしつつ、流体保持面積を最大にする必要がある。] [0137] 燃焼熱に暴露される液体の浅いポケットを保持して、水蒸気改質および/または解離のための蒸気を形成するために、燃焼ゾーンに隣接するシリンダの内壁を粗面処理して構成することによって、さらなる利点を得ることができる。] [0138] シリンダ内に流体ホルダを設けることで、少量の流体を、燃焼ゾーンの周りに浅いポケットまたは膜として分布させて、燃焼熱に十分に曝すことができるようになる。 流体の体積を比較的に小さくし、水蒸気改質および/または解離が起こる可能性を最大にするために燃焼ゾーン内で広く分散させる必要がある。 流体は、圧縮および/または燃焼過程の前にシリンダに入力できる。流体は、例えば、実施形態で図示された方法のいずれかで、予備加熱されることが好ましい。 しかし、圧縮過程の前に流体の入力が行われる場合には、空気/空気燃料混合物の圧縮の際の圧縮熱により、流体を加熱できる。] [0139] いくつかの実施形態では、流体ホルダ1400で保持される流体は、図1に示した蒸気制御弁136などの弁によって入力される。 あるいは、流体ホルダ1400が作動流体中に位置する、および/または燃焼開始前に流体ホルダが少なくとも部分的に沈められるように内燃機関を動作させるようにしても良い。 燃焼が起こると、水蒸気改質および/または解離のために液体は流体ホルダにより保持される。この場合、水素を得ることができる水素含有化合物を液体中に含ませるようにしても良く、例えばエタノールなどの不凍液でも良い。 液体中の不凍液の含有量は、周知の試験装置を使用して容易に監視でき、所望の濃度を維持するために、液体中に不凍液を補給できるリザーバを設けても良い。] 図1 [0140] 先の説明においては、制御装置について詳しく説明されていない。これは、適当な制御装置および必要な関連する付属の装置は、当業者に十分周知のコンポーネントであるからである。 図30を参照して、適当な制御装置728は、ひとつ以上のプロセッサ1600と、信号処理コンポーネント1602と、を備えても良い。信号処理装置は、例えば、信号の増幅、アナログ信号のデジタルへの変換、デジタル信号のアナログへの変換を行って、制御装置がセンサからの信号を受信および使用して、制御装置により制御される弁および他のコンポーネントに有効な信号を出力する。 制御装置728は、内燃機関の動作中に生成されるデータを記憶するひとつ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)1604と、プロセッサで使用できる入力を供給するために、ひとつ以上のセンサからの入力信号をサンプリングする電気回路1606と、をさらに備えても良い。 制御装置728は、永久記憶装置1606として、ひとつ以上の制御ソフトウェア部1608が永久的に記憶されている読出専用メモリ(ROM)のような、ひとつ以上のデータ記憶コンポーネントを、さらに備えても良い。もちろん、いくつかの用途では、永久記憶装置は必要とされない。 例えば、制御装置は、制御アルゴリズムが記憶すると共に制御装置の起動時に制御装置内のRAMにそれをアップロードするマスターコンピュータに接続されていても良い。 他の態様として、制御装置は、マスター制御装置またはコンピュータにスレーブされるようにしても良い。さらに他の態様として、制御装置が、配線で接続された制御回路を備えるようにしても良い。] 図30 [0141] 図示された態様の内燃機関には、エンジンシリンダ内で同軸に配置される円錐体が設けられている。円錐体は、円錐体とシリンダ壁との間に画成される空間の断面積が、シリンダの下流方向で増減しないように設けられている。 円錐体により支持された螺旋の壁状の流れ修正構造は、エンジンの液体出力が排出弁装置に向かって螺旋になるように、円錐体およびシリンダ壁と協同して、螺旋状の通路を画成する。 誘導された螺旋状の動きは、排出弁装置に向かう水の流れを向上させ、これにより、抵抗による損失が低減し、流路の断面積の制御が、流出する液体中に不要なガスの混入を起こすことになる液体のキャビテーションの問題を少なくとも低減する。 図28を参照して説明したように、部品の表面に粗面処理を施すことが、抵抗損失をさらに低減させることができる。 これらの利点の少なくともいくつかは、流路の下流方向で断面積が増減しない流路を提供する他の構造と組み合わせて得られるものである。 さらに、シリンダ軸に対する流れの回転を与える流れ修正構造の他の形態も可能である。例えば、図示した実施形態において、流れに回転を与える方向に向いた羽根を、シリンダ壁と円錐体との間に設けても良い。羽根は、シリンダ壁と円錐体の何れか一方に支持させることができる。さらに他の態様として、シリンダ壁と円錐体の少なくとも一方に螺旋状のリブを設けることである。] 図28 [0142] 実施形態では、エンジン内で水素を生成させて、従来の内燃機関に比べて改善されたパワー出力を得るための実用的な手段が図示されている。 作動体を、金属ピストンではなく水体にすると、燃焼時にシリンダ内に生じる比較的に高温かつ高圧に曝されたときに熱分解により解離できる水の供給源となる。 しかしながら、シリンダ内で可燃性水素含有化合物を燃焼させただけで水を解離させようとしても、解離が起こらない、または、少なくとも少量の水素しか生成しないごく限られた解離しか起こらないと考えられている。 これは、限られた量の水だけが解離に十分になるまで過熱されるからであり、3500℃の温度に達したとしても、炭化水素燃料の燃焼による比較的遅い燃焼が、熱の散逸させてしまう。] [0143] シリンダに水/蒸気の噴霧を導入するとシリンダ内の温度が下がると予想されるが、燃焼熱に曝される水の表面積がかなり増えることによる利点があると考えられる。 また、燃焼のためにリッチな燃料と空気との混合物を与えることによって、シリンダ内に過剰の可燃性水素含有化合物が得られるようになり、このことが、水解離に必要な温度よりも相当に低い温度で起こすことができる水蒸気改質を可能にする。これがシリンダ内で燃焼する燃焼ガスに水素を供給することになる。 水素の燃焼による比較的速く激しい熱は、熱が散逸する時間を短縮でき、燃焼ガスに噴霧される水蒸気/蒸気の量を制御するのであれば、燃焼ガスの過度な冷却を防止し、水の解離を達成できる。 このことは、燃焼ガスに、それ自身が燃焼するかなりの量の水素と酸素を提供し、エンジンから出力される追加パワーを生成する。図13の曲線の比較から、利用できるパワーの3倍の増加を達成できることが示唆されている。] 図13 [0144] 水蒸気改質および/または水解離により生成される水素の燃焼から得られるエネルギ放出により、流出する液体に与えられる追加の運動力は、すでに運動量を有している液体に作用する点で有益である。 すなわち、水素燃焼から生成されるエネルギは、静止状態の水の慣性を克服するのに浪費されずに、既に運動している液体に追加の運動力を提供するので、エンジンからの液体の流出は。1回のエネルギ入力というより、エネルギの繰り返される爆発に曝される可能性がある。] [0145] 図示された実施形態におけるパワー出力は、付勢流体であり、エンジンは燃焼によって生成されるエネルギを出力するための出力軸に連結されたピストンやロータを備えていない。付勢流体は、燃焼過程で発生する圧力を受けるチャンバから押し出されるときに、それに与えられるエネルギを圧力と速度(およびある程度の熱)として運ぶ。圧力リザーバに蓄積されるとき、付勢流体は与えられたエネルギを、リザーバに収容されるガスを加圧して蓄積する。 貯蔵リザーバから放出されるとき、圧力として蓄積されたエネルギの一部は、例えば、インペラ、ピストンまたはポンプを駆動することによって運動エネルギに変換される。] [0146] 図示された実施形態のシリンダからのエネルギ出力は、膨張する燃焼ガスで吐き出される流出液の形で伝達されるので、従来の往復ピストン内燃機関に見られる往復動および/または回転する機械的に接続されたパワー出力コンポーネント(例えばクランク軸に接続されるピストン)は必要としない。このことは、エンジン構成を必要とされたパワー出力に適合させるときに、エンジン設計者の自由度を大いに高めることになる。 例えば、従来の内燃機関に見られる高速往復および回転するパワー伝達部品で直面するエンジンバランスの問題は、図示した実施形態の内燃機関では影響しないため、奇数個(例えば、3個、5個または7個)のシリンダを備える内燃機関を形成しても、偶数個を有するものよりも問題が生じないことが予想される。] [0147] 本質的ではないが、エンジンの出力を加圧流体として出力貯蔵装置に容易に蓄積できるので、以下に説明する利点が得られる。単に言及しやすくするために、出力貯蔵装置をリザーバという。 出力貯蔵装置は、適したあらゆる形態とすることができ、単なる例として挙げている図示されたリザーバに限定されるものではない。] [0148] 図示されたリザーバでは、エンジンシリンダから出力される液体は、リザーバのガス含有領域を通過して、内燃室から出力されて蓄積された液体を収容する液体貯蔵領域に到達する。 蓄積された液体はガスを加圧する。つまり、ガスの圧力は、蓄積される液体の量に応じて変化する。液体が蓄積されないように維持されている領域を介して液体をチャンバに導入すると、フローインピーダンス(液体の流れの進入に対する抵抗)が低下する。これにより、エネルギ損失が減少して、内燃機関の効率が向上する。蓄積された液体を出力するためにリザーバが開かれると、液体はガスに蓄積された圧力によってリザーバから吐き出される。] [0149] 図示された実施形態では、流出する液体を受けるリザーバが、液体が流れ出すシリンダの下に配置され、流体の吸入口は、リザーバの頂部にある。従って、重力によりガスは必ずリザーバの頂部にあるため、液体はリザーバに入ってガスを通り抜ける。 吸入口がリザーバの頂部にあることは必須ではない。吸入口は、蓄積される液体の予定されている最高の高さよりも上であれば、リザーバの頂部より下のどの位置に設けても良い。また、リザーバの少なくとも蓄積される液体が占有する可能性のある領域に入り、その排出口端を、液体の予定されている最高の高さよりも上に位置させた導管の形態としても良い。] [0150] 通常の動作条件で、液体が蓄積された液体ではなく確実にガスを通ってリザーバに入るようにするために、リザーバに出力するチャンバまたは複数のチャンバの動作は、リザーバに蓄積される液体の量が設定されたレベルまたは高さを絶対に超えないように制御される。 図示された実施形態では、制御装置が、リザーバの圧力の検知に使用されるセンサからの信号を利用するようにしても良い。代わりに、または追加として、蓄積される液体の量を検知するための専用センサを利用するようにしても良い。例えば、液体のレベルが所定のレベルに達したときに完成する回路の適当なスイッチ形成部を利用しても良い。あるいは、光学センサまたはフロートスイッチを利用しても良い。さらに他の態様として、二つのセンサを組み合わせて使用するようにしても良い。センサのうちのひとつは、蓄積される流体が途切れることなく位置すると予想される位置に配置されて、基準信号を与える。2つのセンサのうち2つ目は、リザーバにそれ以上入らない最高レベルとして設定されたレベルに配置する。使用に際して、蓄積された液体のレベルが最高レベル未満である間は、2つ目のセンサからの信号は基準信号とは異なる。蓄積された液体レベルが、最高レベルに達するとすぐに信号が変化して、基準信号と略同じになる。] [0151] エンジンが水平に対してある角度をもって動作している場合に、液体入力領域を実質的に液体のない状態で確保しておくために、自動車に取り付けられるエンジンのように使用時に移動することが予定されたエンジンのリザーバにバッフル等を設けることが好ましい。応用例として、バッフルなどを可動にして、エンジンの異なる姿勢に適合できるようにすることが好ましい。] [0152] ひとつまたはひとつ以上のシリンダから流出する液体を受けるひとつまたはひとつ以上のリザーバを、液体収容リザーバと、管路を介して液体収容リザーバ接続されて、液体収容リザーバ内に収容されている液体のレベルの変化に応じて、収容しているガスが膨張収縮するガス収容リザーバと、から構成しても良い。 ガス収容リザーバへの流体の充満を防止するために、液体が液体収容リザーバから上方に流れなければガス収容リザーバに流入できないように、2つのリザーバを別々の高さに配置できる。 このようにすると、液体収容リザーバの適切に維持されたガス収容領域を通って、液体が出力貯蔵装置に入るようにすることができるが、液体は、ガス収容リザーバを介して出力貯蔵装置に入るようにすることが好ましい。] [0153] 前述したように、作動流体を受けるリザーバが、ガスのポケットを含むことがある。ガスは、酸素含有量を低くしてリザーバ内での爆発のリスクを低減できる。ガスは、例えば、市販の酸素フリー窒素、または酸素が減少した排気ガスにすることができる。] [0154] エンジンのエネルギ出力はリザーバに蓄積でき、要求に応じて利用できるので、内燃機関にフライホイールを設ける必要がない。これにより、大幅な軽量化が可能になる。] [0155] エンジンの出力エネルギは、ひとつまたは複数の貯蔵リザーバに加圧流体として蓄積できるので、燃焼室を比較的低速、例えば毎分20サイクルでサイクル運動するようにエンジンを動作させることが可能である。 従来の往復ピストン内燃機関と比較すると、シリンダの各サイクルにおいて起こる様々な過程の制御を改善できる。 さらに、燃焼室に流出入する流体の流れの制御に使用される弁は、制御装置の制御下で互いに独立して動作できるため、従来の往復ピストン燃焼機関の構造で必要とされるのと同じ程度まで、イベントのタイミングに関して妥協する必要がない。 多気筒型エンジンの場合、各燃焼室の動作は従来のエンジンと同じ程度まで同期させる必要はないので、エンジンが柔軟になり、制御しやすくなる。] [0156] 内燃機関のエネルギ出力はひとつまたはひとつ以上のリザーバに蓄積されるため、パワーは、実質的に要求に応じて即座に利用できる。従って、停止状態からのスタートによる急加速は、エネルギを蓄積しているリザーバを駆動装置に接続している弁装置を開くだけで可能である。この加速を達成するために使用されたエネルギは、車両が動いている間に元に戻される。] [0157] パワー出力をリザーバに蓄積することによる他の利点は、リザーバ内の圧力が所定のレベルに到達し、エンジンに著しい負荷がなくなると(例えば、車両が渋滞で停止している場合)、エンジンをサイクル運動させる必要がなく、圧力が所定のレベル、または予め決められた低いレベル未満に落ちるまで、事実上、エンジンを切ることができるという点である。 多気筒型エンジンにおいて同様の状況の場合、第1リザーバの流体の圧力を回復する必要が生じるまで、シリンダの一部または全部を使用しないでおくことができる。 車両が運転中であって、車両の運動量が入力駆動の要求を低減させるような場合についても、同様である。 要求に応じて利用できるパワーを有するときにこのようにして選択的にエンジンを切ることができるようにすると、特に、主に都市環境で典型的に見られる停止/始動の頻繁な運転に使われる車両の場合、大幅な燃料節約を得る機会が与えられる。] [0158] エンジンシリンダの各作動サイクルは、比較的冷たい圧力の低い液体をシリンダに導入させて、燃焼熱をより多く利用して有益な作業出力を生み出すため、従来の内燃機関に比べてエンジンを冷却する必要がかなり少なくなる。 これにより、設計者がエンジンブロックを製造する材料を選択するときの自由度が高くなることが予想される。結果として生じる熱慣性の損失が問題となりにくいことから、より薄い壁を使用できる点も設計の自由度を高めてくれると予想される。 これにより、従来のエンジンよりもエンジンをより軽量にする可能性が与えられる。 また、燃焼室を画成する構造を、プラスチック成形プロセスを利用して部品を製造する機会を生ずることになる産業用樹脂から形成する可能性が生じるので、このことは、コスト削減になる可能性を有している。 しかし、エンジンから出力される高圧高速の液体の運動によって生じるキャビテーションによる問題を避けるために、燃焼室の内側を比較的硬い材料で覆う必要があるかもしれないことに留意するべきである。 運動する液体に曝される燃焼室の壁は、例えば、セラミックライナーで保護してもよく、またはステンレス鋼、これと同等の材料で作成しても良い。 産業用樹脂を使用する場合には、燃焼ガスに曝される表面を粗くする、および/または小さな凹み、ギザギザ、ポケット等を設けることにより、水分が保持されるようにして、プラスチック材料を燃焼熱から保護するようにすることが好ましい。 表面の粗面処理は、例えば、図28に示したものと同一または類似の形にしても良い。] 図28 [0159] 前述したように、図示する実施形態で動作するプロセスは、従来の内燃機関では無駄になっていた熱を利用するので、追加のパワー出力を提供する、および/または水素の形で追加の燃料を提供する。流出液を受けるシリンダおよびリザーバを、熱伝導率が低い、および/または周囲の大気への熱損失を最小限にするために断熱された材料で構成するようにしても良い。 特にリザーバは、収容する加圧ガスの温度を維持するために断熱されるべきである。 想定される選択肢のひとつが、シリンダおよび/またはリザーバに真空ジャケットを設けることである。真空を生み出す排気システムを有する実施形態では、真空ジャケットは、断熱ジャケットの圧力が排気システムの真空よりも高くなった場合に、一方向弁を開けて真空に戻すように、一方向弁を取り付けた管路によって真空が得られる排気システムの一部に接続することができる。] [0160] いくつかの実施形態では、断熱ジャケットを排気システムに直接接続するよりも、真空リザーバに接続するのが好ましい。] [0161] クランク軸やフライホイールなどの重い金属製のコンポーネントが存在しないことから可能となる重量の削減、および/または各燃焼サイクルの開始時点で比較的冷たい作動流体を導入することによって得られる冷却効果の結果としてエンジン構成を軽量化することを組み合わせると、同等のパワー出力を有する従来の往復ピストン内燃機関よりも大幅に軽量化された内燃機関を設計する可能性が与えられる。 そのような重量の削減は、エンジンをそのまま使用する場合には重要ではないが、エンジンが、車両や使用時にエンジンが移動する必要がある他の用途に使用される場合には、エネルギ効率の点において顕著な利点を与えることができる。 このような場合、エンジンの出力の一部が、エンジンの自重を加速および推進するのに必然的に使用されるので、重量削減はどのようなものでも有益である。] [0162] 精密な加工が必要となる可動部品から構成される複雑な機構が存在しないので、製造コストを低減できる。 自動車への適用においては、クラッチ、フライホイール、ギアボックス、または作動装置を備える必要がないので、コストおよび重量の観点から、さらなる節約が行われることになる。] [0163] 図示された実施形態では、第2流体質量は、水または少なくとも水を主成分として構成される。 第2流体質量が主に水からなる場合、ある環境では、エンジンを使用していないときに水が凍結することを防止するために添加剤を含む必要がある。 第1流体質量が第2流体質量に直接接触する実施形態では、燃料の一部は第2流体質量に吸収されるため、エタノールなどのアルコール系燃料を使用する場合、定期的な「不凍液補給」が必要になる。 熱プロセスの効率改善および/または腐食防止のために水に適当な添加剤を添加することが望ましい。第2流体質量が水で構成される場合、蒸留水を使用することが好ましい。] [0164] いくつかの実施形態の場合、水以外の流体を用いて、第2流体質量、または作動流体を構成することが好ましい。] [0165] ひとつ以上の点火プラグを着火装置として使用する実施形態を説明した。他の形態の着火装置を使用することも可能である。例えば、点火プラグの代わりに、予熱プラグまたは熱線を使用できる。別の態様として、燃焼が開始される燃焼室に、金属体、例えば金属メッシュを取り付けて、金属体をターゲットとしたマイクロ波発生源を設けるようにしても良い。] [0166] 特に圧縮点火機関の実施形態の場合、エンジンシリンダに、主シリンダ空間に連通すると共に燃料が噴射される関連チャンバ(図示せず)を設けることが好ましい。このようなチャンバは、第1流体質量と流入する燃料との混合を補助して燃焼プロセスの効率を改善するために、圧縮された第1流体質量に旋回流を生ずるように構成できる。] [0167] 圧力を監視する必要のある場所で圧力状態の変化を示すために、熱電対や光学温度などの温度センサを使用することは便利であるが、代わりに、シリンダ内の圧力を示す信号を提供できる圧力センサまたは他のセンサを使用することが可能である。そのようなセンサには、光ファイバセンサが含まれる。] [0168] 自動車両および他の形態の輸送機関への適用では、エンジンからの出力は、輸送装置の車輪等に動力を供給するひとつ以上の電気モータに電気を供給する発電機を動かすのに利用できることになる。 車輪で走る形態の輸送機関への適用では、被駆動車輪に接続された出力軸を回転させるために出力を利用する代わりに、被駆動車輪に、エンジンから出力される作動流体を受けるタービンのような構造を設けてもよい。] [0169] 実施形態の図は概略図であり、そのため内燃機関の正確な構造を表しているわけではない。一般に、付勢された第2流体がエンジンシリンダから流れてエンジンシリンダに戻る管路系統は、それが可能な限り、真っ直ぐなパイプランまたは緩やかな曲線によって形成して、流れに対する抵抗によって生じるエネルギ損失を最小限にすることが好ましい。] [0170] 説明を簡単にするために、図示する実施形態のエンジンシリンダが、圧力の読み取りが必要な場所の各々の圧力を示す信号を提供するためのひとつのセンサと、各バルブのうちのひとつを有するものとして説明をした。 望まれている性能レベルを提供する、および/または各バルブまたはセンサを故障から保護するために、複数の弁および/またはセンサを用いるようにしても良い。 そのため、例えば、ツイン吸気弁、および/またはツイン排気弁、または複数のセンサがあってもよい。] [0171] 図示する実施形態では、燃焼イベントのタイミングは、従来の往復ピストン内燃機関ほど厳しくないことは明らかである。例えば、燃料のオクタン価の変動によりプレイグニッションがある場合であっても、燃焼が起こるときのエンジンシリンダ内の急激な圧力上昇は、それでもなおも出力弁装置を開かせるので、通常の燃焼イベント後に起こるのと同様に、液体流出をシリンダから第1リザーバに吐き出させる。 このため、従来の往復ピストン内燃機関でプレイグニッションがある場合のエンジンコンポーネントへの潜在的なダメージおよびパワー損失が、阻止または少なくとも低減される。 このことから、図示するエンジンは、一般に使用されるガソリン系燃料のような品質が一貫性を示さない燃料の使用に特に適しており、例えば、再生可能資源から生成できるエタノールなどのアルコール系燃料の使用にエンジンは特に適している。] [0172] 図示された実施形態では、シリンダから出力される液体は、基本的に閉鎖回路であることで、再利用される。ただし、排気ガス中の水蒸気の蒸発、漏れおよび不完全な凝縮によるロスがある。そのため、補給を行える小型の水リザーバを設けても良い。補給を行うための様々な機構を設けても良い。例えば、始動時の第1リザーバのレベルを検出し、レベルが不十分であることが確認された場合に、リザーバから補給流を提供するようにしても良い。代わりに、リザーバ110からシリンダに直接かつ定期的に噴射することで、補給を行うようにしても良い。] [0173] 図示された実施形態では、燃料は、主に空気からなる第1流体質量に直接噴射される。 これは必須ではない。代わりに、燃料をシリンダの上流の空気の流れに計量して供給し、すでに空気が混合された燃料として、シリンダに送出するようにしても良い。 図示された実施形態の内燃機関に関連する様々な弁を、常閉型電磁作動弁として説明した。前記したひとつ以上の電磁作動弁の代わりに、他の形態の電気作動弁を使用しても良い。弁は、油圧や空気圧で作動するようにしても良い。] [0174] 図示された実施形態では、エンジンシリンダからの出力弁装置は、それに作用する圧力バランスに応答する一方向弁を備えて構成される。これは必須ではない。代わりに、例えば、電磁弁などの電気作動弁を使用するようにしても良い。 燃焼イベント後のシリンダ内の圧力上昇は大きく、例えば図1に図示したセンサ44などの温度センサで容易に検出できるので、電磁弁を開いて付勢流体をリザーバに放出させる信号を送出できるようになる。 燃焼イベントが点火プラグなどの着火装置の動作によって引き起こされる内燃機関では、電気作動式出力弁の開放は、着火装置の起動から決めることができる。] 図1 [0175] 図示された実施形態で動作するプロセスの多くは、各エンジンの一部で検知される温度/圧力に応答して開始されると記載した。 これは、周囲の動作条件の変動および/または可変負荷にも拘わらず、エンジンを効率的に機能させる必要があるときには好ましい。ただし、制御イベントの多くは、設定された時間間隔で開始されるようにしても良い。時間間隔に基づく制御手順は、おそらくより単純で、定置型エンジン(建物に収容できる)、および/または負荷の著しい変化を受けない、または少なくとも動的に変動する負荷を受けないエンジンに適用できる。] [0176] 図示された実施形態の説明では、エンジンのプロセス制御は、感度電流信号および読取値に基づくと説明している。 種々の制御手法を使用できる。例えば、プロセスのうちのひとつ以上の制御を、ひとつ以上の過去の信号および読取値、およびこれらの信号および読取値の処理により生成されるデータに基づいて行うようにしても良い。] [0177] 実施形態で図示したシリンダから出力される流体のために螺旋状の流路を設けることは必須でない。 内燃機関のシリンダは、出力される流体が単純に燃焼ガスの膨張によって排出口に真っ直ぐ吐き出されるように空容積でもよい。] [0178] いくつかの実施形態では、燃焼ガスと作動流体(液体)との間に自由に浮動する分離部材を配置させることが好ましい。 適した材料で形成されると共に作用する圧力変化に応じてシリンダ内で自由に往復運動するそのような分離部材は、シリンダの略全幅に亘って、燃焼ガスから液体へのエネルギの均一な伝達を補助することになる。 そのような分離部材は、さらに燃料および/または第1流体質量の燃焼生成物による液体の汚染を制限できる。 実際、液体によってシーリングが施されるので、分離部材は完全に自由に動くことができ、分離部材とシリンダの壁の間にシーリングを設ける必要はない。]
权利要求: 請求項1 チャンバと、前記チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分を前記チャンバ内で燃焼させるために前記チャンバ内に導入させる吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として、前記圧力上昇の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、加熱した液体を前記チャンバに選択的に導入する入力弁装置と、前記入力弁装置に加熱した液体を供給する供給システムと、を備え、前記入力弁装置は、前記加熱した液体の少なくとも一部が解離して、前記チャンバ内で燃焼する水素を提供するように、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバの領域に前記加熱した液体を導入させる内燃機関。 請求項2 請求項1に記載の内燃機関において、前記供給システムは、前記加熱した液体を蒸気として供給する。 請求項3 請求項2に記載の内燃機関において、前記供給システムは、前記加熱した液体を水蒸気として供給する。 請求項4 請求項1または請求項2または請求項3に記載の内燃機関において、前記供給システムは、前記液体を前記チャンバ内の前記領域に導入するときに、水蒸気改質を促進するために所定量の水素含有化合物を前記液体に加える装置を備え、前記水蒸気改質では、前記チャンバ内で燃焼させる水素を、前記水素含有化合物から分離させる。 請求項5 請求項4に記載の内燃機関において、前記供給システムには、前記水素含有化合物から水素を放出させる触媒が設けられている。 請求項6 前記請求項のうちの何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバ内での水蒸気改質を促進するために、前記可燃性混合物が燃料リッチになるように前記吸入弁装置を制御する制御装置を備え、前記水蒸気改質では、前記チャンバ内で燃焼させる水素を提供するために、前記燃料から水素を分離させる。 請求項7 前記請求項のうちの何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバから燃焼生成物を受ける排気システムを備え、前記供給システムは、前記液体を、前記排気システムを流れる燃焼生成物からの熱に曝して、前記加熱される液体を、前記燃焼生成物からの熱により少なくとも部分的に加熱させる。 請求項8 請求項7に記載の内燃機関において、前記供給システムは、前記液体が流れる管路を備え、前記管路は、前記燃焼生成物が前記管路の表面を流れるように、前記排気システムを貫いて延びている。 請求項9 前記請求項の何れか一項に記載の内燃機関は、前記液体を前記チャンバに導入する第2入力弁装置と、前記第2入力弁装置の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記チャンバに導入させた前記液体が前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分を圧縮するように、前記第2入力弁装置を制御する。 請求項10 請求項9に記載の内燃機関は、前記可燃性混合物の前記少なくとも1つの構成成分の圧縮完了後、前記液体が前記チャンバに導入されるように前記入力弁装置を制御する制御装置を備える。 請求項11 請求項10に記載の内燃機関において、前記制御装置は、前記チャンバ内での前記可燃性混合物の燃焼開始に続いて、前記液体が前記チャンバに供給されるように前記入力弁装置を制御する。 請求項12 前記請求項のうちの何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバ内の状態を示す信号を与える少なくとも1つの光学センサを備え、前記吸入弁装置と前記入力弁装置のうちの少なくとも一方の制御は、前記少なくとも1つの光学センサからの前記信号に少なくとも部分的に基づいて行われる。 請求項13 請求項12に記載の内燃機関において、前記少なくとも1つの光学センサは、少なくとも1つの光学温度センサから構成される。 請求項14 前記請求項のうちの何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバからの前記液体の流出を受ける出力貯蔵装置を備え、前記入力弁装置は、前記出力貯蔵装置からの前記液体の供給のために、前記出力貯蔵装置に接続されている。 請求項15 請求項14に記載の内燃機関において、前記出力貯蔵装置は、前記液体が、液体のない状態に維持される領域を通って前記出力貯蔵装置に流入するように構成されている。 請求項16 前記請求項のうちの何れか一項に記載の内燃機関において、前記チャンバ内には、前記チャンバの中央線の周りで前記液体流出のための流路が画成されており、前記流路は、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項17 チャンバと、前記チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分を前記チャンバ内で燃焼させるために前記チャンバ内に導入させる吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として、前記圧力上昇の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記チャンバに液体を導入する入力弁装置と、前記入力弁装置の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記液体の噴霧の少なくとも一部の成分が解離して、前記可燃性混合物中で燃焼する水素を提供されるように、前記チャンバ内での前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分の圧縮に続いて前記チャンバへの前記液体の供給が行われるように前記入力弁装置を制御する内燃機関。 請求項18 請求項17に記載の内燃機関において、前記制御装置は、前記可燃性混合物の燃焼中に、前記チャンバ内への前記液体の供給を行うように構成されている。 請求項19 請求項17または請求項18に記載の内燃機関は、前記液体を、加熱された液体として供給するために、前記入力弁装置に接続された加熱ユニットを備える。 請求項20 請求項19に記載の内燃機関において、前記加熱ユニットは、前記液体を蒸気として供給する蒸気生成ユニットから構成される。 請求項21 請求項19または請求項20に記載の内燃機関は、前記チャンバからの燃焼生成物を受ける排気システムを備え、前記加熱ユニットは、前記排気システムに流れる燃焼生成物からの熱を受けて、前記液体が、前記燃焼生成物から伝達される熱によって少なくとも部分的に加熱されるように構成される。 請求項22 請求項17から請求項21の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバからの前記液体の流出を受ける出力貯蔵装置を備え、前記入力弁装置は、前記出力貯蔵装置からの前記液体を供給するために、前記出力貯蔵装置に接続されている。 請求項23 請求項22に記載の内燃機関において、前記出力貯蔵装置は、前記液体が、液体のない状態に維持される領域を通って前記出力貯蔵装置に流入するように構成されている。 請求項24 請求項17から請求項23の何れか一項に記載の内燃機関は、前記液体を前記チャンバに導入する第2入力弁装置と、前記第2入力弁装置の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記チャンバに導入させた前記液体が、前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分を圧縮するように、前記第2入力弁装置を制御する。 請求項25 請求項17から請求項24の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバの上流に配置されると共に、前記液体を前記チャンバに供給するときに、水蒸気改質を促進するために所定量の水素含有化合物を前記液体に加える装置を備え、前記水蒸気改質では、前記チャンバ内で燃焼させる水素を、前記水素含有化合物から分離させる。 請求項26 請求項25に記載の内燃機関は、前記チャンバの上流に配置されて、前記水素含有化合物から水素を放出させるために、前記液体が通過する触媒を備える。 請求項27 請求項17から請求項26の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバ内での水蒸気改質を促進して前記チャンバで燃焼させる水素を生成するために、前記可燃性混合物が燃料リッチになるように前記吸入弁装置を制御する制御装置を備える。 請求項28 請求項17から請求項27の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバ内の状態を示す信号を与える少なくとも1つの光学センサを備え、前記吸入弁装置と前記入力弁装置のうちの少なくとも一方の制御は、前記少なくとも1つの光学センサからの前記信号に少なくとも部分的に基づいて行われる。 請求項29 請求項28に記載の内燃機関において、前記少なくとも1つの光学センサは、少なくとも1つの光学温度センサから構成される。 請求項30 請求項17から請求項29の何れか一項に記載の内燃機関において、前記チャンバ内には、前記チャンバの中心線の周りで前記液体流出のための流路が画成されており、前記流路は、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項31 チャンバと、前記チャンバ内の圧力を上昇させるために、可燃性混合物の構成成分を前記チャンバ内で燃焼させるために前記チャンバ内に導入させる吸入弁装置と、前記チャンバからのエネルギ出力として、前記圧力上昇の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記チャンバに液体を導入する入力弁装置と、前記可燃性混合物中で燃焼する水素を前記水素含有化合物から分離させるために、前記水素含有化合物の水蒸気改質が起こすように、前記可燃性混合物の燃焼中に前記チャンバ内に十分な水素含有化合物と水分子が存在するように前記チャンバの動作を制御する制御装置と、を備える内燃機関。 請求項32 請求項31に記載の内燃機関において、前記制御装置は、前記水蒸気改質のために、前記水素含有化合物の少なくとも一部において前記可燃性混合物が燃料リッチになるように前記吸入弁装置を制御するように構成される。 請求項33 請求項31または請求項32に記載の内燃機関は、前記液体を供給する供給システムを備え、前記供給システムは、水と前記水素含有化合物とからなる前記液体を形成するための装置から構成される。 請求項34 請求項33に記載の内燃機関は、前記チャンバの上流に配置されて、前記水素含有化合物から水素を放出させるために、前記液体が通過する触媒を備える。 請求項35 請求項31から請求項34の何れか一項に記載の内燃機関は、前記液体を加熱する装置を備え、前記装置は、前記液体が加熱された液体として前記チャンバに導入されるように、前記チャンバの上流に配置される。 請求項36 請求項35に記載の内燃機関において、前記液体を加熱する前記装置は、蒸気生成ユニットから構成される。 請求項37 請求項35または請求項36に記載の内燃機関は、前記内燃機関からの燃焼生成物を受ける排気システムを備え、前記液体を加熱する前記装置は、前記液体を加熱するために、前記排気システムを流れる燃焼生成物から熱を受け取るように構成されている。 請求項38 請求項31から請求項37の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバからの前記液体の流出を受ける出力貯蔵装置を備え、前記入力弁装置は、前記出力貯蔵装置からの前記液体を供給するために、前記出力貯蔵装置に接続されている。 請求項39 請求項38に記載の内燃機関において、前記出力貯蔵装置は、前記液体が、液体のない状態に維持される領域を通って前記出力貯蔵装置に流入するように構成されている。 請求項40 請求項31から請求項39の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバ内の状態を示す信号を与える少なくとも1つの光学センサを備え、前記吸入弁装置と前記入力弁装置のうちの少なくとも一方の制御は、前記少なくとも1つの光学センサからの前記信号に少なくとも部分的に基づいて行われる。 請求項41 請求項40に記載の内燃機関において、前記少なくとも1つの光学センサは、少なくとも1つの光学温度センサから構成される。 請求項42 請求項31から請求項41の何れか一項に記載の内燃機関は、前記液体を前記チャンバに導入する第2入力弁装置を備え、前記制御装置は、前記チャンバに導入させた前記液体が、前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分を圧縮するように、前記第2入力弁装置を制御する。 請求項43 内燃機関を操作する方法であって、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための圧力上昇をもたらすために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記チャンバ内で前記液体の少なくとも一部が解離して前記可燃性混合物中で燃焼する水素を与えるために、前記可燃性混合物の燃焼中に前記可燃性混合物中に前記液体が存在するように、前記チャンバ内での前記可燃性混合物の少なくとも一つの構成成分の圧縮に続いて前記チャンバ内に液体を供給するステップと、を備えて構成される。 請求項44 請求項43に記載の内燃機関を操作する方法において、前記液体は、前記可燃性混合物の燃焼開始に続いて、前記燃焼室内に提供される。 請求項45 請求項43または請求項44に記載の内燃機関を操作する方法において、前記液体は、少なくとも部分的に蒸気から構成される。 請求項46 請求項43または請求項44または請求項45の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法において、前記液体は、少なくとも部分的に水ミストから構成される。 請求項47 請求項43から請求項46の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体を前記チャンバに提供する前に、前記内燃機関が出力する排気ガスの流れとの熱交換により、前記液体を加熱するステップを備える。 請求項48 請求項43から請求項47の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の流出を、出力貯蔵装置の液体のない状態に維持される貯蔵領域を通過させて出力貯蔵装置で受けるステップを備える。 請求項49 請求項48に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の少なくとも一部を前記出力貯蔵装置から供給するステップを備える。 請求項50 請求項43から請求項49の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の解離のための熱を提供するために、前記可燃性混合物中で燃焼する水素を与えて、前記可燃性混合物の燃焼中に前記水素含有化合物の少なくとも一部の水蒸気改質を促進するために、前記チャンバ内に水素含有化合物を提供するステップを備える。 請求項51 請求項50に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の前記チャンバ内への流れの少なくとも一部に、前記水素含有化合物を提供するステップを備え、前記液体は、少なくとも水および前記水素含有化合物から構成される。 請求項52 請求項51に記載の内燃機関を操作する方法は、前記水素含有化合物から水素を放出させるために、前記液体を、触媒上を通過させるステップを備える。 請求項53 請求項50または請求項51または請求項52に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、水素と炭素から構成される、 請求項54 請求項50から請求項53の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、可燃性化合物である。 請求項55 請求項50から請求項54の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物中に過剰の燃料を提供するために、燃料酸化剤比が理論混合比よりも高い前記可燃性混合物を形成することによって、前記水素含有化合物を少なくとも一部に提供するステップを備える、 請求項56 請求項43から請求項55の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記流出する液体を、前記チャンバ内の螺旋状の内部流路に沿って流すステップを備え、前記流路は、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項57 請求項43から請求項56の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバ内の温度状態の光学的表示度数を得るステップと、前記チャンバ内への液体の提供を、少なくとも部分的に前記光学的表示度数に基づいて制御するステップと、を備える、 請求項58 内燃機関を操作する方法であって、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための圧力上昇をもたらすために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記可燃性混合物の燃焼中に加熱した液体の少なくとも一部が解離して、前記可燃性混合物中で燃焼する水素が提供されるように、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバの領域に加熱した液体を供給するステップと、を備えて構成される。 請求項59 請求項58に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバ内での前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分の圧縮に続いて、前記加熱した液体を供給するステップを備える。 請求項60 請求項59に記載の内燃機関を操作する方法は、前記加熱した液体が燃焼している可燃性混合物中に供給されるように、前記可燃性混合物の燃焼開始に続いて、加熱した液体を供給するステップを備える。 請求項61 請求項58または請求項59または請求項60に記載の内燃機関を操作する方法において、前記加熱された液体は蒸気から構成される。 請求項62 請求項61に記載の内燃機関を操作する方法において、前記加熱された水蒸気は、過熱蒸気から構成される。 請求項63 請求項58から請求項62の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記加熱した液体を、前記内燃機関により出力される排気ガスからの熱伝達により加熱するステップを備える。 請求項64 請求項58から請求項63の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の流出を、出力貯蔵装置の液体のない状態に維持される貯蔵領域を通過させて、出力貯蔵装置で受けるステップを備える。 請求項65 請求項64に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の少なくとも一部を、前記出力貯蔵装置から供給するステップを備える。 請求項66 請求項58から請求項65の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバ内の状態の光学的表示度数を取得するステップと、前記加熱した液体の供給を、少なくとも部分的に前記光学的表示度数に基づいて制御するステップと、を備える、 請求項67 請求項56から請求項64の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物の燃焼中に前記水素含有化合物の少なくとも一部の水蒸気改質を促進することによって、水素含有化合物から水素を分離して、この水素を前記可燃性混合物中で燃焼させることによって、前記液体の解離のための熱を提供するために、前記チャンバ内に水素含有化合物を供給するステップを備える。 請求項68 請求項67に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物中に過剰の燃料を提供するために、燃料酸化剤比が理論混合比よりも高い前記可燃性混合物を形成することによって、前記水素含有化合物を少なくとも一部に提供するステップを備える。 請求項69 請求項67または請求項68に記載の内燃機関を操作する方法は、加熱された液体に、前記水素含有化合物の少なくとも一部を提供するステップを備え、前記加熱された液体は、少なくとも水と前記水素含有化合物とから構成される。 請求項70 請求項69に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体を前記チャンバの上流に配置した触媒を通過させて、前記水素含有化合物から水素を放出させるステップを備える。 請求項71 請求項69または請求項70に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、水素と炭素とから構成される。 請求項72 請求項69または請求項70または請求項71の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、可燃性化合物である。 請求項73 請求項58から請求項72の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物の燃焼中に、前記チャンバに前記加熱した液体を供給するステップを備える。 請求項74 請求項56から請求項73の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記流出する液体を、前記チャンバ内の螺旋状の内部流路に沿って流すステップを備え、前記流路は、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項75 内燃機関を操作する方法であって、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための圧力上昇をもたらすために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記水素含有化合物から前記可燃性混合物中で燃焼する水素を分離させるために、前記可燃性混合物の燃焼中に前記水素含有化合物の少なくとも一部の水蒸気改質を促進するように、所定量の水素含有化合物と水分子とを前記可燃性混合物中に供給するステップと、を備えて構成される。 請求項76 請求項75に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物中に過剰の燃料を提供するために、燃料酸化剤比が理論混合比よりも高い前記可燃性混合物を形成することによって、前記水素含有化合物を少なくとも一部に提供するステップを備える、 請求項77 請求項75または請求項76に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の前記チャンバへ内への流れの少なくとも一部に、前記水素含有化合物を提供するステップを備え、前記液体は、少なくとも水と前記水素含有化合物から構成される。 請求項78 請求項77に記載の内燃機関を操作する方法は、前記水素含有化合物から水素を放出するために、前記液体を、前記チャンバの上流に配置された触媒上を通過させるステップを備える。 請求項79 請求項77または請求項78に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、水素と炭素から構成される。 請求項80 請求項77または請求項78または請求項79に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、可燃性化合物である。 請求項81 請求項77から請求項80の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物の燃焼中に、前記チャンバに前記液体を流すステップを備える。 請求項82 請求項75から請求項81の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体の前記流出を促進するために、前記水ミストの少なくとも一部の解離を促進して、前記チャンバ内で燃焼する水素と酸素を提供して、水ミストの少なくとも一部が前記可燃性混合物と水素の燃焼により生じる熱に曝されるように、前記チャンバ内に前記水ミストを提供するステップを備える。 請求項83 請求項82に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバの上流で前記水ミストを加熱するステップを備える。 請求項84 請求項83に記載の内燃機関を操作する方法は、前記内燃機関から排気される燃焼生成物からの熱を用いて前記水ミストを加熱するステップを備える。 請求項85 請求項83または請求項84に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水ミストは過熱蒸気から構成される。 請求項86 請求項82から請求項85の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバ内の温度状態の光学的表示度数を得るステップと、前記水ミストを提供するステップを少なくとも部分的に前記光学的表示度数に基づいて制御するステップと、を備える。 請求項87 請求項75から請求項86の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記流出液を、前記出力貯蔵装置の液体のない状態に維持される領域を通過させて、前記流出液を前記出力貯蔵装置で受けるステップを備える、 請求項88 請求項82から請求項86の何れか一項に従属する場合に、請求項88に記載の内燃機関を操作する方法は、前記水ミストの少なくとも一部を前記出力貯蔵装置から供給される液体から供給するステップを備える、 請求項89 請求項75から請求項88の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記流出液を、記チャンバ内の螺旋状の内部流路に沿って流させるステップを備え、前記流路は、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項90 請求項75から請求項89の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバ内の温度状態の光学的表示度数を得るステップと、前記水素含有化合物と水分子を提供するステップの少なくとも一部を前記光学的表示度数に少なくとも一部基づいて制御するステップとを備える。 請求項91 実行環境で実行されるときに、請求項43から請求項90に記載の何れかひとつの方法の少なくとも一部の制御を実行可能な少なくともひとつのコンピュータプログラムソフトウェア部からなるコンピュータプログラム製品。 請求項92 請求項91の前記コンピュータソフトウェア部、または少なくともその一部を格納するデータ記憶コンポーネント。 請求項93 請求項92に記載のデータ記憶コンポーネントを備える処理装置。 請求項94 請求項43から請求項90のうちの何れか一項に記載された方法の少なくとも一部を制御するように構成された制御装置。 請求項95 チャンバと、前記チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させて、前記チャンバ内の気体体積を膨張させるために、前記チャンバに前記可燃性混合物の構成成分を導入する吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として、前記膨張する気体体積の影響下で前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記チャンバ内の液体ホルダと、を備え、前記液体ホルダは、前記液体ホルダにより保持される液体が、前記膨張する気体体積中に置かれるように、前記可燃性混合物の燃焼が起こる前記チャンバ内の領域に配置されて、前記チャンバ内で燃焼する水素を提供する過程で前記液体噴霧が加熱されるようにしており、前記膨張する気体体積が前記液体に作用できるように、前記液体ホルダを通る前記膨張する気体体積のための少なくとも1つの流路がある内燃機関。 請求項96 請求項95に記載の内燃機関において、前記液体ホルダは、支持部材によって支持されると共に互いに所定間隔で設けられた液体保持部材から構成されて、これらの間に少なくともひとつの流路を画成する。 請求項97 請求項96に記載の内燃機関において、前記液体保持部材は、前記液体を保持するための少なくとも1つの液体保持用凹部を備える。 請求項98 請求項95または請求項96または請求項97に記載の内燃機関は、前記液体を前記チャンバに導入させる入力弁装置と、前記入力弁装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記可燃性混合物の燃焼開始前に前記液体が前記チャンバに導入されるように前記入力弁装置を制御する。 請求項99 請求項98に記載の内燃機関において、前記制御装置は、前記可燃性混合物の燃焼前に、前記可燃性混合物の少なくとも1つの構成成分が圧縮される前記チャンバでの圧縮過程の完了前に前記液体が前記チャンバに導入されるように、前記入力弁装置を制御する、 請求項100 請求項98または請求項99に記載の内燃機関は、前記チャンバ内の状態を示す信号を与える少なくとも1つの光学センサを備え、前記制御装置は、前記少なくとも1つのセンサが提供する前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記入力弁装置を制御する、 請求項101 請求項100に記載の内燃機関において、前記少なくとも1つの光学センサは、少なくとも1つの光学温度センサから構成される。 請求項102 請求項95から請求項101の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバの上流に配置されて、所定量の水素含有化合物を前記液体に添加して、前記水素含有化合物から水素を分離する水蒸気改質過程を促進することによって、前記チャンバ内で燃焼される前記水素の少なくとも一部を提供するように作動する装置を備える。 請求項103 請求項102に記載の内燃機関は、前記チャンバの上流に配置されて、前記水素含有化合物から水素を放出するために前記水性流が通流する触媒を備える。 請求項104 請求項95から請求項103の何れか一項に記載の内燃機関は、前記チャンバ内で燃焼される前記水素の一部を少なくとも生成する水蒸気改質過程を促進するために、前記可燃性混合物が燃料リッチになるように前記吸入弁装置を制御する制御装置を備える。 請求項105 請求項95から請求項104の何れか一項に記載の内燃機関において、前記チャンバは、内部に画成された前記液体の流出のための流路を含み、前記流路は、前記チャンバの中心線に対して巻かれていると共に、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項106 内燃機関を操作する方法であって、前記方法は、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから液体を吐き出させるための気体体積の膨張のために、チャンバ内で可燃性混合物を燃焼させるステップと、前記チャンバ内で燃焼させる水素を提供する過程で前記液体が加熱されるようにするために、前記可燃性混合物の燃焼中に前記チャンバ内で燃焼する可燃性混合物中になる位置に置かれる少なくとも1つの液体ホルダに液体を提供するステップと、を備える。 請求項107 請求項106に記載の内燃機関を操作する方法において、前記液体ホルダは、所定間隔を開けて設けられた複数の液体保持部材から構成され、前記液体は、前記液体保持部材上に供給される。 請求項108 請求項106または請求項107に記載の内燃機関を操作する方法は、前記可燃性混合物中に燃焼用の水素を与える水蒸気改質過程を促進するために、前記可燃性混合物中に十分な量の水素含有化合物の少なくとも一部が与えられるように、前記チャンバの上流で前記液体に水素含有化合物を添加するステップを備える。 請求項109 請求項108に記載の内燃機関を操作する方法は、前記水素含有化合物から水素を放出させるために、前記液体を、前記チャンバの上流に配置された触媒を通流させるステップを備える。 請求項110 請求項108または請求項109に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、水素と炭素とから構成される。 請求項111 請求項108または請求項109または請求項110に記載の内燃機関を操作する方法において、前記水素含有化合物は、可燃性化合物である。 請求項112 請求項106から請求項111の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記水素含有化合物から水素を分離する水蒸気改質過程を促進して、前記可燃性混合物中で燃焼させるための前記水素を提供するために、前記可燃性混合物中に十分な量の水素含有化合物の少なくとも一部を提供されるように、燃料酸化剤比が理論混合比よりも高い前記可燃性混合物を形成するステップを備える。 請求項113 請求項106から請求項112の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法において、前記液体を前記チャンバの上流で加熱するステップを備える。 請求項114 請求項113に記載の内燃機関を操作する方法は、前記内燃機関から排気される燃焼生成物からの熱を使用して、前記液体を加熱するステップを備える。 請求項115 請求項106から請求項114の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバから吐き出される前記液体を、出力貯蔵装置内の液体のない状態に維持された領域を通過させて前記出力貯蔵装置で受けるステップを備える。 請求項116 請求項115に記載の内燃機関を操作する方法は、前記出力貯蔵装置から前記液体の少なくとも一部を供給するステップを備える。 請求項117 請求項106から請求項116の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記液体を、前記チャンバ内の螺旋形の内部流路に沿って流させるステップを備え、前記流路は、前記流路の下流方向に、略等しいままで保持されるまたは減少する断面積を有している。 請求項118 請求項106から請求項117の何れか一項に記載の内燃機関を操作する方法は、前記チャンバ内の状態の光学的表示度数を得るステップと、前記チャンバの操作を少なくとも部分的に前記光学的表示度数に基づいて制御するステップと、を備える、 請求項119 実行環境で実行されるときに、請求項106から請求項118の何れか一項に記載された方法の少なくとも一部の制御を実行可能な少なくとも1つのコンピュータプログラムソフトウェア部を備えるコンピュータプログラム製品。 請求項120 請求項119の前記コンピュータソフトウェア部、または少なくともその一部を格納するデータ記憶コンポーネント。 請求項121 請求項120に記載のデータ記憶コンポーネントを備える処理装置。 請求項122 請求項106から請求項118の何れか一項に記載の方法の少なくとも一部を制御するように構成された制御装置。 請求項123 チャンバと、その内部で燃焼させるために前記チャンバに可燃性混合物の構成成分を導入する吸入弁装置と、前記チャンバのエネルギ出力として前記チャンバから流出液を放出する排出弁装置と、前記可燃性混合物の燃焼が前記流出液の移動を開始させる前記チャンバの第1圧力上昇を生じさせ、前記可燃性混合物の燃焼中に前記チャンバ内の水素含有化合物から分離した水素の燃焼が、前記流出液に作用する第2圧力上昇を生じさせて、液体に作用する前記第2圧力上昇が前記第1圧力上昇により開始するように、前記チャンバの操作を制御する制御装置と、を備える内燃機関。 請求項124 |